ギャスパー・ウリエルの立派なアソコに大興奮!

 ライアンの映画はかなりのぶっ飛び映画だったけど、マチューは前作『さすらいの女神たち』ですでにカンヌの監督賞を受賞しているだけあって、今回も完成度が高い。かなりエロチックな映画なんだけど、インタビューではその舞台裏を面白おかしく話してくれて、すごく楽しかった。本当に才人。

いつも仏頂面なトミー・リー先生だが、今回はヒラリー・スワンク(左から2人目)らに囲まれ笑顔。かつて取材したとき、あまりに間抜け面だったのか「話、わかってるのか?」と聞かれてびびりまくった私。でも大好きです。

 宇宙人ジョーンズこと、トミー・リー先生の作品も大きい賞を取ってしかるべき、と思う傑作なのだが、残念ながら今回は無冠に。この『THE HOMESMAN』、開拓時代に過酷な生活で精神を病んでしまった女たちを療養所まで送り届ける話で、まさに女性に捧げる映画というべき映画。トミー・リー先生は会見で作った理由を聞かれ、「この会場で、性別のせいで差別されたり、自分を卑下した経験のない女性などいないだろう。その歴史と理由に私は興味があるんだ」と答えて、拍手喝采。こちらもほんと、男前! カンヌで賞を逃した映画がオスカーを獲得することもままあるので、今年の賞レースに期待しよう。

シャネルの香水BLEU DE CHANELのモデルでも知られるギャスパーくん。今年は自撮り2ショットを撮ろうとする記者たちも多かった。

 男前といえば、『SAINT LAURENT』でイヴ・サンローランを演じたフランスきっての美男子ギャスパー・ウリエルも立派、立派。何が立派って、映画では見事な裸体を披露しているんだけど、もうね、ムフフが立派過ぎて、マダム大興奮! いや、映画も面白かったし、ギャスパーもサンローランそっくりになりきって大熱演してるんだけど、あの細身のどこにそれが隠れているのか、というくらい驚いてしまった。

 そして、会見後、行列するミーハー記者たち全員にサインをして(マダムももらってしまった)、記念撮影にも応じ、さらに私のスヌーピーのボールペンまで拾ってくれる、やさしさよ! もともと好きだったけど、大ファンになったのは言うまでもない。マチューもそうだけど、イメージと違ってフランスの俳優さんは本当にみんな気取りが無い人が多いのだ。

石津文子 (いしづあやこ)
a.k.a. マダムアヤコ。映画評論家。足立区出身。洋画配給会社に勤務後、ニューヨーク大学で映画製作を学ぶ。映画と旅と食を愛し、各地の映画祭を追いかける日々。ときおり作家の長嶋有氏と共にトークイベント『映画ホニャララ はみだし有とアヤ』を開催している。好きな監督は、クリント・イーストウッド、ジョニー・トー、ホン・サンス、ウェス・アンダーソンら。趣味は俳句。俳号は栗人。「もっと笑いを!」がモットー。