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 事故物件住みます芸人として知られる松原タニシさんが『事故物件怪談 恐い間取り4全国編』(二見書房刊)を上梓。その中にも収録されている都内某所の「1Rアパート 家賃7万円」は、細く入り組んだ路地の奥にひっそりと建っています。80代で亡くなった女性が、過去30年間住んだという部屋をタニシさんに案内していただきました。

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細く入り組んだ路地のいちばん奥に……

――築50年とのことですが、きれいにリフォームされていますね。でも、内見のときはまだ……?

 ゴミ屋敷になっていたという物件の、ゴミだけを撤去した時点で見せてもらいました。ユニットバスが見たこともないほど真っ黒で、火事があったのかなと思ったら、水垢だろうとのことでした。

――居室の広さは4畳半ほどでしょうか。床下収納もあるんですね。

 この床下収納は容器を外すとですね……(外す)すぐ下が地面になっていて、そこに1冊の本が落ちていました。湿ってボロボロになっていたのですが、そっとめくってみると、2014年のジャイアンツの選手名鑑でした。

――それほど昔の本じゃないところがリアルですね。

 ジャイアンツを勝たせないための呪詛か何かかな、と思って調べてみたら、2014年はジャイアンツが優勝しているんですね。だから必勝祈願だったのかもしれません。※編集部注:クライマックスシリーズではタイガースに敗れたので、呪詛でないとも言い切れない。

――床下収納は、リフォーム前からあったのですか。

 ありました。

――便利ですね。部屋もちょっと日当たりが悪いことを除けば過ごしやすそうです。

2025.07.18(金)
文=伊藤由起
写真=志水 隆