与えられた仕事に徹底的に向き合うことで生まれる自信

──他のインタビューで、自分のことだけを考えて生きていくには限界がある。これからは女性たちをエンパワーメントすることにも目を向けたい、とおっしゃっていました。MEGUMIさんが今後挑戦したいことはありますか?
プロデューサー業を始めたのは、世界各国と比べてかなり低いとされている日本人女性の自己肯定感の向上を目指したから。女性をエンパワーメントできるような作品をこれからもプロデュースし続けていきたいです。
──ご自身の自己肯定感を上げるためにしていることはありますか?
結局、今与えられていることを頑張らないと上がらないですよね。今回だったら、チカという役にとことん向き合って、徹底的に努力する。そのプロセスをきちんと踏まないと自信ってそう簡単にはつかないと思うんです。
まぁ、言うは易く行うは難しで私も出来ないことは多いんですが、与えられたことをきちんとやらないと自信は得られないということは、43年間生きていて得られた真理です。いかに体のラインや肌が美しくても、自信には直接繋がらない。
──その意識を持ったのは、何歳頃からですか?
仕事がない時期を経験した20代後半頃ですね。そのときに仕事にきちんと向き合って、努力を重ねることを誓ったんです。20代前半は調子に乗っていたので、そのまま仕事が順調だったら、今とは全く違う考えを持っていたかもしれません。
──徹底的に努力するスタンスをもう10年以上続けていらっしゃるんですね。
そうですね。しんどい時ももちろんありますよ。でもしんどいという感情に引っ張られ過ぎないように気をつけています。もう後悔はしたくないので。
モチベーションを維持するために、今もなお第一線で活躍している先輩方に会いに行ったり、新たな価値観を打ち出して奮闘している若い世代の動画を観たりしています。みんな懸命に取り組んでいるんだと思うと、自然とやる気が出てくるんです。
MEGUMI
1981年生まれ、岡⼭県出⾝。2001年デビュー。持ち前のキャラクターを活かしてテレビや雑誌などで活躍。その後、映画やドラマ、舞台への出演など活躍の場を広げているほか、プロデューサーとしての作品としてドラマ『くすぶり⼥とすん⽌め⼥』『完全に詰んだイチ⼦はもうカリスマになるしかないの』、映画『零落』がある。また、美容本『キレイはこれでつくれます』(ダイヤモンド社)はベストセラーに。最新出演作に、映画『かくかくしかじか』がある。
『劇場版 それでも俺は、妻としたい』
NHK連続テレビ小説『ブギウギ』の脚本などを手掛けた足立紳が、自ら執筆した私小説を映像化。売れない脚本家の柳田豪太(風間俊介)は、妻のチカ(MEGUMI)とセックスしようとするが、チカはそんな豪太を拒絶する。「したい」夫と、「したくない」妻がセックスを巡り繰り広げる攻防戦。痛快エンターテイメントドラマ。
原作:足立紳『それでも俺は、妻としたい』(新潮文庫)
脚本・監督:足立紳
出演:風間俊介、MEGUMIほか
配給:東映ビデオ
5月30日(金)全国ロードショー
https://www.tv-osaka.co.jp/soretsuma/movie/

2025.05.29(木)
文=高田真莉絵
撮影=佐藤 亘