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酒造り発祥の地・佐香神社にも行ってみた

 酒持田本店から車で15分ほどの場所にある佐香(さか)神社。奈良時代に編纂された『出雲国風土記』には、この地に神々が集まって酒造りを行い、180日間にわたり酒宴を開いたと記されています。また「酒(さけ)」の語源が「佐香(さか)」から来ているという説もあり、酒造り発祥の地として県内外の酒蔵から信仰を集めています。

 田園風景の中にこつ然と現れる鳥居をくぐり、まっすぐ進むと、そこが佐香神社。急な階段を上がって境内に入ると、小さなお社が。人けのない、しんとした空気のなかを気持ちのいい風が吹き抜け、神聖な雰囲気が漂います。タクシーで行くなら、階段の下で待っていてもらうのが安心です。

 毎年10月に行われる「濁酒祭」では、お神酒のどぶろくが造られ(年1石=180リットルの酒造が許可されている)、それを奉納し新酒の出来を祈願。参拝客にも振る舞われ、夕方から夜にかけて神楽が奉納されます。

2025.02.19(水)
文・写真=伊藤由起
写真協力=界