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島時間が流れるラウンジで伝統工芸に触れる

 フロントとダイニングが連なるパブリックエリア「集いの館」には、滞在中いつでも利用できる「ゆんたくラウンジ」があります。ゆんたくは沖縄の言葉で「おしゃべり」という意味。三線や古謡の演奏や、伝統文化の機織り体験、作りたてのおやつをふるまう「島のひととき」、オリジナルシロップと泡盛を組み合わせたカクテルを提供する「宵のひととき」など、島文化を感じられるさまざまな催しを開催しています。

 ゆんたくラウンジで行われるアクティビティで興味を惹かれたのが「織りあそび」。竹富島伝統の織り機を使い、島の植物で染めた草木染めの糸を使った織りを体験します(1人3,025円)。

 八重山の織物は島ごとに特徴が異なり、ミンサー織り発祥の竹富島では、藍染の糸で「いつ(五)よ(四)」まで仲睦まじくという柄を織った帯を、愛しい人に送っていたのだとか。トントンと織り機を動かしながらそんな話を聞いていると、島の女性たちの健気な思いが伝わってくるようです。

 「その瞬間の特等席へ。」をコンセプトに、施設ごとの独創的なテーマで圧倒的非日常を提供する「星のや」。

 約2万坪の敷地に伝統建築の建物や白砂の道が続く「星のや竹富島」は、開業から13年目を迎え、景観もおもてなしも島の一部となりつつあります。そこに待つのは、ゆるやかに流れる時間と、島の歴史や文化、暮らしに触れたという確かな感触。あなたもぜひ、体験してください。

内田也哉子(うちだ・ややこ)

1976年東京生まれ、東京・ニューヨーク・ジュネーブ・パリで学ぶ。文章家。エッセイ、翻訳、作詞、ナレーションのほか、音楽ユニットsighboatでも活動。2024年6月、長野県上田市にある戦没画学生慰霊美術館「無言館」共同館主に就任。著書に『ペーパームービー新装版』(朝日出版社)、『BLANK PAGE 空っぽを満たす旅』(週刊文春WOMANの連載を収録)などがある。週刊文春WOMANで『mirror river』を連載中。

星のや竹富島

所在地 沖縄県八重山郡竹富町竹富1955
電話番号 050-3134-8091(星のや総合予約)
宿泊料金
◆1泊147,000円~(1室あたり、税・サ込み、食事別 ※通常は2泊から受付)
客室数 48室
チェックイン 15:00/チェックアウト 12:00
アクセス 石垣港よりフェリーで約10分、竹富港より送迎あり
https://hoshinoresorts.com/ja/hotels/hoshinoyataketomijima/
◆Wi-Fiあり

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2025.02.22(土)
文=伊藤由起
写真=橋本 篤
写真協力=星のや
協力=星野リゾート