ある司教の“命日”としてはじまったバレンタイン
クリスマスに次ぐ冬の一大イベント、バレンタインデー。世界では「恋人たちの日」とされていますが、日本ではもはやチョコレートの祭典になりつつありますね。
そもそもバレンタインデーの起源はというと、3世紀のイタリア・ローマまで遡ります。当時のローマ皇帝は、「恋愛は士気を下げる」という理由で兵士たちの結婚を禁止していました。嘆く兵士たちを見かねて立ち上がったのが、テルニという小さな街で活動していたヴァレンティヌス(バレンタイン)司教。皇帝に隠れて多くの兵士たちを結婚させました。
いつしかそれが皇帝の耳に入り司教は処刑されてしまうのですが、その処刑された日というのが2月14日。以降、命日を「恋人たちの日」としお祈りするようになりました。ヴァレンティヌス聖人が祀られるサン・バレンティーノ教会は、恋愛のパワースポットとして現在も多くの人たちが訪れます。
赤やピンクに彩られた料理を楽しむのが定番!
バレンタインデーの発祥の地かつ“愛(アモーレ)の国”イタリア。さぞ派手なバレンタインの過ごし方をしているかと思いきや、実は王道の過ごし方はほぼ日本と一緒なんです。
男性が女性に赤いバラの花束やチョコレートなどを贈り、予約したレストランでバレンタインコースを楽しみます。バラを使った前菜やイチゴのリゾットなど、料理はことごとくピンクや赤で彩られるのが特徴。日本食好きにはサーモンやマグロがハート型に盛られたお寿司が人気です。
そしてチョコレートのイベントもたくさん! 発祥の地テルニはもちろん、「ロミオとジュリエット」の舞台になった都市ヴェローナでも「Verona in Love」というイベントを開催。オペラやコンサートなどの催し物の他にチョコレートを売っています。
そんなアモーレの国イタリアで愛されているチョコレートが一堂に会するイベント「ミア チョコラテリア」が、2月14日(金)まで松屋銀座で開催中。
チョコレート激戦区トリノから、古代アステカ帝国由来の製法で今も作り続けるシチリアまで、さまざまな地域の個性豊かなチョコレートが大集合します。
2025.02.07(金)
文・写真=齊藤奈津子