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日本で一番有名な北欧の猫「マイキー」はこうして誕生した

 一緒にものづくりを進めて行く中で、初心に戻ったように創作に励み、アイデアが尽きることがなかったというリサ。2010年にはリサの提案により、グラフィックデザイナーである娘のヨハンナと初の共作となった絵本『BABY NUMBER BOOK』を出版。絵本のデザインは佐々木さんが担当し、当時まだ名前のなかったマイキーを表紙にすることに踏み切った。

「『BABY NUMBER BOOK』は、1から10までの数字と同じ数の動物たちが描かれている絵本で、リサが描いたスケッチの中に、のちのマイキーになる猫がいました。たくさんの動物がいる中でふてぶてしさが目を引き、“この子をスターにしよう”とひらめいたんです」(佐々木さん)

 出版後もしばらく名なしだった“ふてぶてしい猫”は、ある日、布にプリントされることになり、リサとリサの娘・ヨハンナと一緒にスウェーデンのファブリック工場へ向かった佐々木さんと勝木さん。そこで名前の話が持ち上がり、ヨハンナの思いつきで「マイキー」と命名された。一度見ると忘れられないインパクトがあるマイキーは、北欧デザインらしい洗練されたキャラクターとして、大人の女性たちからも支持を集めた。

 マイキーが一躍有名になったのは2014年。9月に松屋銀座で初となるリラ・ラーソン展が開催され、13日間で約7万人を動員する大成功を収めた。

「マイキーからリサを知った方は、展覧会を見て初めてリサが陶芸家だということを知ったというお声をたくさんいただきました。一方、リサのビンテージや陶器作品のファンだった方には、マイキーをはじめとする新しいキャラクターを知っていただけて、リサの活動を広く知ってもらういい機会になりました」(勝木さん)

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「生まれ変わったら日本人になりたい」と言っていたリサ。日本への想いを明かした連載の第2回はこちらから。

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次の話を読む「生まれ変わったら日本人になりたい」。日本に心を寄せ続けたリサ・ラーソンが人生の最後に手がけた作品への想い
リサ・ラーソンと日本人女性2人の17年間の物語

2024.11.23(土)
文=田辺千菊(Choki!)
撮影=深野未季、平松市聖(3ページ2枚目)
提供写真=トンカチ