とりわけ齢を取ってからのガンは、進行が遅くなるため、放っておいても大丈夫なケースは意外と多くあります。

 ここから導き出される選択は、八〇歳を過ぎたら我慢しない、という生き方です。

 ガンにならないように我慢していた、食べ物、お酒、タバコはもう控えたりしなくてもいい。高齢者はすでにガンを持っていることが多いからです。

 好きなものを飲んで食べて生きたほうが、ストレスが少なく、楽しく生きられるのではないでしょうか。そして、そのほうが免疫力が高まって長生きできるかもしれないのです。

理屈というものは常に変わる。
常識とされる説も普遍ではない

 世の中で客観的で間違いないと言えることは、人間の死ぬ確率が一〇〇パーセントだということくらいでしょう。だから、ありとあらゆる医療は、死ぬ確率を減らしたり死ぬのを多少(これもどの程度かわからないのですが)遅らせたりはできても、死ぬのを防ぐことに成功したことがありません。

 理屈通りにはいかないものです。

 インテリと言われている人を当てにしていいのかどうかですが、インテリは旧来の理屈に縛られている危険性が高いのではないかと思います。

 例えば、長生きしたいのでしたら、医者の話を聞くよりも、実際に長生きしている人──それも医者ではない人──に話を聞いたほうがいいかもしれません。一〇〇歳を過ぎてもカクシャクとしておられた日野原重明先生なんかは例外で、大抵の医者はそれほど長生きしていませんからね。

 もう一つ重要なポイントとして挙げておきたいのは、理屈というものは常に変わることです。

 古くは、天動説が地動説に変わったのがいい例です。それまで正しいと思われていた理屈が、突然パッと変わってしまう。

 身近なケースで言いますと、植物性の油のほうが動物性の油よりもいいと信じられていた時期がありました。その時期には、マーガリンが健康にいいとされていた。ところが今や、マーガリンに含まれるトランス脂肪酸は、諸悪の根源のように言われています。

2024.09.04(水)