我が家に連れて帰ってきた、お気に入りのプレートとピッチャー。食器は、普段選ぶ時にはお料理との相性などを考えるのですが、これは別。アートピースを選ぶように、純粋に惹かれるものだけを集めています。背景は、最近パリシックを夢見てミントグリーンに塗ったリビングの壁。これまで以上にアスティエが似合うようになりました。

 プレスやスタイリストなど業界内にも愛用者の多い、アスティエ・ド・ヴィラットの陶器。初めて知ったのは10年以上も昔、コレクションのために訪れたパリで、知人からルーヴル美術館の近くにあるブティックを紹介されたのがきっかけでした。当時はまだブランドが誕生して間もない頃でしたが、店内に並ぶ食器や花瓶からは、まるで絵画から抜け出たかのような独特の雰囲気が漂っていて、完全にひと目惚れ。大皿を1枚、日本に大切に持ち帰ったのを覚えています。

すべてパリ市内の工房にて手作業で作られている陶器は、ひとつひとつが表情を持って語りかけてくるよう。釉薬のさじ加減による透明感あるニュアンスも大きな魅力です。繊細でロマンティックなのに、モダンなお皿や和食器とも不思議と馴染んでくれるんですよ。

 その後、しばらくは出産、子育てがありパリに行く機会も減ってしまっていたのですが、最近、ついにパリコレにも復帰! 昨秋は久々に念願のアスティエを訪れることができました。小さくて可愛い店構えは以前のままでホッとしましたが、店内はお客さまでいっぱい。私がたっぷり1時間ほど迷っている間には、仲よしの編集部御一行様もいらっしゃるなど(笑)、大人気スポットとなっていました。

左はデザイナーのブノワとイヴァン、隣の女性がバルテュス夫人の節子さん。ブノワは両親の友人だったバルテュスと節子夫人から、アートについて多大な影響を受けて育ったとか。また、「H.P.DECO」でのイベントとも重なる4/19(土)~6/22(日)の間、東京都美術館ではバルテュス展『私もバルテュスト~バルテュスを愛する人々~』が開催されるそうです。こちらもお楽しみに!

 アスティエは日本では「H.P.DECO」で購入可能。また、表参道の「H.P.DECO」では4/19(土)からの1カ月間、『アスティエ・ド・ヴィラットとバルテュス夫人、節子・クロソフスカ・ド・ローラ展』という魅力的なイベントも開催されます。節子夫人は、現代具象絵画の巨匠、バルテュスの妻であると同時に、自らも画家や随筆家として活躍される感性豊かな女性。そんな彼女とアスティエとのコラボアイテムは、ファンならずとも必見ですね!

H.P.DECO
電話番号 03-3406-0313

河井真奈 (かわい まな)
数々の雑誌で活躍するスタイリスト。モードとデイリーのバランスが取れたスタイリングに定評が。著書に『絶対美人アイテム100』(文藝春秋刊)

Column

河井真奈の「私が今、買いたいもの」

スタイリストの河井真奈さんが、プライベートで今リアルに欲しいと思っているほどお気に入りのアイテムをピックアップ!

2014.04.03(木)
文=村上治子