この記事の連載

 Amazonオーディブル(以下、Audible)で村上春樹さんの『スプートニクの恋人』を朗読した俳優の宮﨑あおいさん。ナレーションやアニメの声優など、声に関わる仕事にも多く携わっている宮﨑さんに、Audibleの魅力について聞きました。(全2回の前篇。後篇を読む


小説を1冊朗読するのは初めての経験

――今回Audibleのオファーを受けた時のお気持ちを教えてください。

 私は文字や言葉を声に出して読むのが好きなのですが、今回はいままで関わったことがない新しいタイプのお仕事だったので、面白そうだなと思いました。

 それに、ナレーションや声優のお仕事とは違い、小説を1冊まるまる朗読するという初めての経験にもとても興味があったので「ぜひやらせていただきたいです」とお返事しました。

――どんなところを「新しい」と感じたのですか?

 体力と頭をフル回転で使うところです。小説の朗読というのは、1文字も間違えてはいけないという集中力が求められる一方、ただ正確に読むだけではなく、聴いてくれる方の耳に気持ちよく入っていくことも必要だと思っています。そこが自分の中ではすごく新鮮で面白そうだと感じました。

――宮﨑さんは普段、Audibleはご利用されていますか?

 まだ使ったことはありません。恥ずかしながら私、すごくアナログ人間なんです。デジタルで本を読むより、紙でページをめくって読みたいという思いが強く、これまで自分の日常に「本を耳で聴く」という習慣がありませんでした。

 もちろん、オーディオブックというものがある、ということは知っていましたが、利用したことがなかったので、お仕事をさせていただくにあたって、家族やまわりの人に「Audible使っている?」と聞いてみたら私の兄弟が使っていて。思わず「どういう時に使っているの?」とインタビューしちゃいました(笑)。

2024.09.06(金)
文=相澤洋美
写真=三宅史郎
スタイリスト=藤井牧子
ヘアメイク=中野明海(nakano akemi)