この記事の連載
- 梨さんインタビュー #1
- 梨さんインタビュー #2
令和ホラー界の最前線のクリエイターが集結
――「行方不明展」は株式会社闇さん、テレビ東京のプロデューサー・大森時生さん、ホラー映画監督の寺内康太郎さんと近藤亮太さん、さらにはアートディレクターの大島依提亜さんなど、今のホラー界隈を牽引する人たちが集結したことも話題ですが、どのようにして実現したのでしょう。
梨 株式会社闇さんとは、2023年の3月に「行方不明展」の前身とでもいうべき「その怪文書を読みましたか」という展示会を開催したときから仲良くさせていただき、これが好評で今回の展示が実現しました。
大森さんとは、お笑い芸人・Aマッソさんのライブ「滑稽」や、フェイクドキュメンタリー番組「テレビ放送開始69年 このテープもってないですか?」「祓除」と、これまで彼が手がけた作品に携わらせてもらっていたことで交流がありました。今回また展示をやると伝えたところ「じゃあ一緒にやりましょう!」と言っていただけたのです。
寺内監督や近藤監督、そして大島さんに関しては以前からその作品には惚れ込んでいましたが、直接の交友関係はありませんでした。けれど、皆さん大森さんとは多くのお仕事を一緒にされてきた人たちだったので、大森さん経由で合流してくださいました。私一人ではおそらく表現しきれなかった“現実と地続きに見える別世界の実在感”は、皆さんの力添えの賜物です。
――今回の展示で工夫された部分や苦労された部分があれば伺いたいです。
梨 苦労したのは文字量ですね。展示は来場者が多いと文章の熟読が難しくなります。今回は全体でも5,000文字くらいに収めたのですが、この制限の中で世界観を作っていくのはかなり大変でした(笑)。
2024.07.19(金)
文=むくろ幽介
写真=山元茂樹