この記事の連載

【DAY.2】

廻船の歴史と栄華の跡をたどる「佐渡国小木民俗博物館」

 宿根木散策の前にちょっぴり予習を。「佐渡国小木民俗博物館」は、大正10年に竣工した旧宿根木小学校の木造校舎をそのまま残した博物館です。

 展示館では、ドーンと大きな船が出迎えてくれます。この船は、1858年に宿根木で建造された北前船を当時の板図(設計図)をもとに実物大で復元した「白山丸」。北前船とは江戸時代半ばから明治にかけて大阪と北海道を結び、運送に加えて寄港地で商品を売買していた帆船のこと。北前船が往来することにより、京都や大阪、九州や瀬戸内などからさまざまな生活文化が佐渡にもたらされるようになりました。

 海運の歴史を物語る貴重な品々だけでなく、高度経済成長によって捨てられていく生活道具など、かつて民俗学者の宮本常一が住民に呼びかけて集めたというもの。そのため館内には、国指定重要有形民俗文化財の南佐渡の漁業用具から昭和レトロな日用品まで民俗資料も数多く陳列されています。

佐渡国小木民俗博物館

所在地 新潟県佐渡市宿根木270-2
電話番号 0259-86-2604
営業時間 8:30~17:00(入館は16:30まで)
定休日 12月から2月の月曜、年末年始

2024.03.29(金)
文=大嶋律子(giraffe)
写真=釜谷洋史