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【疑問3】「A反応」は効いてる証拠? 赤くなっても我慢すべき?

髙瀬 ビタミンAを使用すると、肌に赤みが生じたり、皮むけするケースがあり「ビタミンA反応」と呼ばれています。クリニックで使用する「トレチノイン」は、一時的にこのような反応が出るケースがほとんどです。痒みが生じて肌に触ってしまうような場合は、使用頻度を下げて頂きます。

――化粧品のレチノールの場合、A反応はどう対処すべき?

髙瀬 化粧品の場合、一時的に赤みが出ても、きちんと保湿して肌状態が悪化しなければ、使用を続けて大丈夫です。ただし、我慢できないほどのピリピリ感や、かゆくて肌に触れてしまうような状態だと、炎症悪化や色素沈着の原因になります。このような場合は無理して使わずに、一旦中止して下さい。

【疑問4】朝レチノールを使うのはNGって本当?

髙瀬 化粧品の場合、一概にNGとはいえません。確かに「ビタミンA」は光で変成しやすい性質があるんですね。ビタミンAの中でも活性の高い、外用薬の「トレチノイン」は、夜の使用を推奨しています。

 一方で、化粧品の場合は、ビタミンAを「レチノール誘導体」の形で配合していることが多く、朝使っても問題ありません。基本的にはメーカーが推奨する使用方法に従って下さい。

――朝レチノールを使うときの注意点はありますか?

髙瀬 日焼け止めをきちんと塗りましょう。ビタミンAの変成を防ぐというより、レチノール使用中の肌はバリア機能が低下しやすいので、紫外線ダメージを防ぐためです。

【疑問5】レチノールと併用しないほうがいい成分ってあるの?

髙瀬 あります。「AHA」や「PHA」などピーリング作用のある成分を一緒に使うと、赤みやヒリヒリ感を助長するため、避けたほうが安心です。よく「ビタミンC」の併用について聞かれますが、絶対にNGというわけではありません。ただし、レチノール使用中は一時的にバリア機能が乱れるので、高濃度のビタミンCは刺激を感じやすいかもしれません。

 レチノールの使用中は「保湿」を徹底して、バリア機能をサポートしてあげましょう。肌に赤みや皮むけが生じている時は、パワフルな成分は併用しないほうが安心です。

2024.04.04(木)
文=宇野ナミコ