あなたとパートナーのコミュニケーションはどのタイプ?
●アサーティブ
コミュニケーションの特徴
「僕はこう思うけれど、君はどう?」「私はこんなふうに感じるけれど、あなたの気持ちを聴かせて」など、自分の気持ちや考えを正直に伝えながらも、相手の気持ちや考えを聴くことも大切にしたコミュニケーションを取る人は、話し合って歩み寄ることを大切にします。
「私はあなたにこうしてほしい」「私はあなたにこれはやめてほしい」など、「私」を主語にした伝え方〈アイ・メッセージ〉は、アサーティブな表現の代表例です。
背景にあるのは?
□ 自分と相手の気持ちや考えが異なるのは当然と考える
□ 相手を理解しようとする姿勢
□ 適度な自信と謙虚さ
□ 自分自身が相手との関係の変化の鍵を握っている
●非主張的
コミュニケーションの特徴
「どうして自分はいつも言いたいことを抑えてパートナーに合わせてしまうんだろう」「私がこれだけ気を遣って言っているのに、私の本音に気づかないあの人が悪い」。こんな風に感じている人は非主張的な自己表現をしてしまっているかもしれません。
このタイプは相手に誤解されやすく、ストレスが溜まりやすいため、抑うつ感や無力感などを伴う心身の変調に繋がることも少なくありません。自分よりも相手を優先してしまう傾向があります。
背景にあるのは?
□ 葛藤を避けたい気持ちが強すぎる
□ 嫌われたくない気持ちが強すぎる
□ 察してほしい気持ちが強すぎる
□ 自己犠牲が強すぎる
□ パートナーとのパワーの差
□ 自己評価の低さ
●攻撃的
コミュニケーションの特徴
「いつも口調がきつくなってしまう」「もう少し相手の話を聴かなくてはいけないことはわかっているんだけど、つい説教みたいになってしまう」「自分はきちんと言いたいことを言っている。だから、言いたいことがあるんだったら、言わない相手が悪い」。
こんな風に感じている人は攻撃的な自己表現をしているかも。相手の言葉を無視したり、表面的には丁寧に接するけれども陰で悪口を言う、などもこのタイプに含まれます。
背景にあるのは?
□ 負けたくないという気持ち
□ 相手への甘え
□ 自信過剰と根底にある不安
□ 真面目で責任感が強すぎる
□ 自分の弱さを受容できない
□ 忙しい、疲れている
※『夫婦・カップルのためのアサーション』(金子書房)を参考にして作成
●お話を聞いたのは……
明治学院大学心理学科教授
野末武義先生
日本家族心理学会元理事長。家族心理士・臨床心理士・公認心理師。専門領域は、家族心理学、カップルセラピー、家族療法、アサーション・トレーニングなど。著書に『夫婦・カップルのためのアサーション』(金子書房)がある。
臨床心理士・公認心理師
坂﨑崇正さん
カップルセラピー専門「COBEYA」セラピスト。高知県でスクールカウンセラーとしてキャリアをスタートし、男性専門の心理相談業務、就労支援心理相談員、子ども及び家庭を福祉的に支援するなどし、2021年から現職。
Column
私たちの体を守りケアする
フェム・ヘルス研究室
女性の心身の仕組みを理解して、快適に暮らすめための連載。「フェムテック」アイテムの紹介をはじめ、PMS、月経、更年期などの女性のしんどさを和らげて、生活の質を上げる方法を考えます。
2024.02.24(土)
文=今富夕起