在宅時間の増えたコロナ禍では、ラクで快適なランジェリーが好まれていたが、アフターコロナの今、自分を美しく見せる下着へと女性の意識は変化していた。
多くの人が体型変化を実感
ステイホームが基本だったコロナ禍において、ノンワイヤーのソフトブラやカップ付きキャミソールのラクな着け心地に慣れてしまった人も多いはず。しかし、アフターコロナで外出機会が増えた今、ワイヤーブラへと回帰する人が増えているのだそう。下着への意識にどのような変化が起きているのか、伊勢丹新宿店マ・ランジェリー ランジェリーコンシェルジュの星野奈津実さんにお話を伺った。
「コロナ禍を経て、3年ぶりに自分の体と向き合っている人が増えている印象です。夏になってTシャツを着たら胸の位置が下がっていた、久々にワイヤー入りブラジャーを着けたらサイズが合わない。そんなお悩みからランジェリー売り場にくる方は多いです」
人に会うなど見られることに意識を向ける人が多いため、売れ筋はバストメイクに長けたワイヤー入りブラだというが、ノンワイヤーのラクな着け心地に慣れた人にとっては、やはり窮屈なのでは?
「よくあるのが、加齢などで胸がやわらかくなりカップの上部に隙間ができるのを胸が小さくなったと勘違いし、サイズを下げてしまうこと。胸の下部(バージスライン)のサイズは変わらないので、これだと窮屈に感じてしまいます。おすすめは、インポートによくある、胸の上部まで包み込む形状のブラジャーです。リュックも肩紐が太いからこそ安定するように、支える面が広く、肩紐が太めのもののほうが安定感が増し、着け心地もラクに感じます」
ショーツは加齢によってサイズアップする人が多いが、すると今度は、かわいいデザインのものがないという不満に行き当たる。しかし、日本ではデカパンとして敬遠されがちな深ばきショーツも、インポートまで選択肢を広げると、かわいいものがたくさんある。
「海外では、おへそが隠れるハイウエストのショーツは、脚長効果のあるおしゃれなアイテムと認知されています。ですから、選ぶのが楽しくなるほど種類も豊富です」
ワコールが実施したアンケートによれば、ノンワイヤー派とワイヤー派は、ほぼ同数という結果に。
「どっち派と決めてしまうのは、もったいないかもしれません。女性は生理前にバストのボリュームがアップする方もいますし、生理中や雨の日にむくみやすい方は、同じブラジャーでも着け心地が違って感じることもあります。胸を支えてくれるブラと着け心地がラクに感じるブラを持っておき、体調や天候に合わせて選べるのが理想です」(星野さん)
2023.12.03(日)
文=今富夕起
イラスト=竹井晴日