人事異動が多い秋口は、春先に次いで引っ越しが多い季節。転居予定の人は、その街の不動産屋を訪れて気になる物件に足を運んでいるだろう。ただ、広さや間取りなど、事前に決めた条件で部屋の内見をしていても、どれも同じに思えてなかなか決めきれない……という人もいるはず。

 そこで今回は、不動産のプロに内見の際にチェックすべきポイントを教えてもらった。

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住まいの造りや築年数によって、注目すべきポイントにも違いが

「入居希望者が内見に行くと、日当たりや収納の多さ、バストイレ別など、部屋の中を熱心に確認する人が多くいます。たしかに部屋のスペックも重要ですが、極論を言えば、部屋は『個人の好み』と『予算』で決めるのがベストです。ただし、部屋が気に入ったとしても“即決”はおすすめしません」

 そう話すのは、都内の不動産仲介会社に勤務する市場俊介さん(仮名)。市場さんは「建物の外側を見るだけでも参考になる」と話す。

「住まいの造りや築年数によって、注目すべきポイントにも違いがあります。たとえば、築20年以上経過している木造の物件なら“屋根”の確認は必須です。屋根の塗装が色褪せていたり、ひび割れていたりしている場合、その時点では修繕をしていない可能性が高く、住みはじめてから雨漏りをするリスクがあります」

 RC造(鉄筋コンクリート造)や鉄骨造の物件は、外壁のタイルの欠けや凹み、ひび割れの修繕状況もチェック。修繕をした痕跡があれば、オーナーや管理会社がしっかり管理している証だという。

「築年数が長ければ、どんな物件も修繕が必要になります。その点をおろそかにしている建物は劣化が早く、入居後の住みにくさにつながるのです」

 そのほか、建物の「共用部」にも物件の管理状況を知る手がかりが隠されているという。自分の部屋に入るまでに必ず通るエントランスや共用の廊下も、重要なチェックポイントだ。

 

ココが古くて錆びていたら…

「エントランスの掃除が行き届いていなかったり、廊下の電気が切れたままだったりしていたら、あまりいい状態とはいえません。また、廊下にある消火器が古くて錆びている場合も、管理不足の可能性が高く、注意が必要です。管理にお金をかけるオーナーは、共用部の照明器具を白熱電球からLED電球に変えて寿命を延ばしたり、定期的に消火器を交換したりしてくれるので、一目瞭然です」

2023.10.25(水)
文=清談社