検討中の物件は保証会社の種別まで調べておくと安心

 次に審査が厳しいのは、協会系と呼ばれる一般社団法人全国賃貸保証業協会(LICC)に加盟している保証会社。協会系の保証会社を利用した経験がある人は、過去の利用履歴が加盟企業間で共有されるので、それをもとに審査が行われる。過去に家賃滞納の履歴があると審査が通らない可能性があるとのこと。

「3つ目が『独立系保証会社』です。その名の通り、どの機関ともリンクしておらず、独自の基準で審査を行うため、信販系や協会系で審査が通らなかった人でも審査を通過できる可能性があるのです。審査がゆるいので入居はしやすいですが、その分、どんな入居者なのかは未知数ですね」

 賃貸保証会社の情報は、不動産屋から渡される物件情報用紙(マイソク)に記載されている。検討中の物件があるなら、保証会社の種別まで調べておくと安心かもしれない。

入居後に後悔しないためには…

 また、内見に同行する不動産会社の営業マンへの質問にも工夫が必要だ。

「信頼できる担当者かどうかを確認する際は『自分はこの物件が気になっているのですが、マイナスポイントはありますか?』と訊いてみてください。その問いに対して『懸念点はなく、とてもいい物件なのですぐに契約をしたほうがいい』と言われた場合はダウト。あまり信頼できる相手ではないので、不動産会社を変えるのもアリです。経験豊富で誠実な担当者ならば、先に挙げたようなマイナスポイントを伝えつつ熟考を勧めます」

 何気ない質問だが、核心をつく問いかけになりそうだ。

「賃貸であっても、引っ越しには手間とお金がかかります。入居後に後悔しないように、念には念を入れて内見に臨んでください」

 住まい選びに失敗すると、その後の生活にも悪影響を及ぼす。そんな事態を避けるためにも、よほど急ぎでない場合は、焦らずにじっくり検討しよう。

2023.10.25(水)
文=清談社