この記事の連載
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- #02ガトー・ブルトン
- #03カレ・アルザシアン
- #04カレ・サブレ・ショコラ
- #05ガレット・ドフィノワ
- #06ガレット・ブルトンヌ
- #07クール・ド・パパ
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- #09パン・ド・ジェーヌ
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- #53ケーク・ショコラ・オー・フリュイ
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- #58タルト・オー・ゾランジュ
- #59タルト・オー・ポム
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- #63クグロフ・トラディショナル
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- #66ビスキュイ・オー・シ ョコラ・ド・ナンシー
- #67ビスキュイ・ド・サヴォワ
- #68 ムース・ショコラ・ジュスト・キュイ
- #69ガトー・21世紀
- #70コロンビエ
- #71サン・ロラン
- #72トゥルト・ピレネー
- #73パヴェ・ド・ヴニーズ
- #74 ル・トゥルト・フロマージュ
- #75プティ・フール・ドゥミ・セック
- #76 プティ・フール・セック
- 最終回 プティ・フール・サレ
1981年、尾山台に誕生したオーボンヴュータン。以来、実に40年以上にわたり、伝統的なフランス菓子を作りつづけています。
唯一無二のおいしさと、ひとつひとつのお菓子が持つストーリー。79歳の今日も元気に厨房に立つ河田勝彦シェフが語るフランス伝統の焼き菓子のおいしさとは?
【毎日オーボンヴュータン】でお会いしましょう!
#76 プティ・フール・セック(PETITS FOURS SECS)
オーボンヴュータンのあらゆる商品のなかで一番の人気を誇るのが、このプティ・フール・セック、いわゆるクッキーの詰め合わせ。
生地使いの多彩さと、合わせる素材の多様さによって、表情豊かで幅の広いおいしさが表現されていて、食べ飽きることがありません。
しかも、タンプルタンやジャンドゥーヤなど、自家製の素材をおいしさが損なわれないうちに使用しているので、風味が格別!
「乾いたお菓子=セックであっても、鮮度は大切にしたいと思っているんです」と、河田シェフ。
「僕は職人ですから、一生懸命菓子を作る、それだけです。菓子には必ず気持ちがこもって、食べる人に伝わります。忙しくても苦しくても、『辛い、辛い』なんて思いながら作っていたら、お菓子が死んでしまう。旨いものを作る喜びを感じていなければ。情熱が持てなくなったら、パティシエなんて辞めたほうがいいと思います」。
その情熱が、ひとつひとつの味わいにあふれています。
・プレオール…表面をキャラメリゼした、サクサクで香ばしい薄焼きパイ。
・コルネ…軽やかな食感のシガレット生地に、芳しいヘーゼルナッツとアーモンドのプラリネを詰めて。切り口を彩るのは、ピスタチオに見立ててホウレンソウで着色したアーモンドダイス。
・ディスク…タンプルタン(アーモンド、砂糖、バニラと合わせてローラーで挽いたパウダー)と水、卵白を混ぜ合わせたパート・ダマンド・クリュをサブレに絞って焼き、赤スグリのジュレを流したひと品。カリッと風味豊かな生地とジュレの酸味の対比が鮮やか。
・エピス…スパイスが利いたサクサクのサブレに、フランボワーズのジャムをサンド。上にのせたクルミがアクセント。
・ミロワール…メレンゲとアーモンドがベースの生地にアーモンドダイスを散りばめて、アーモンドクリームを絞ってオーブンへ。仕上げにアプリコットのナパージュ(ジャムのような上がけ)を塗り、糖衣をかけて艶やかに。カリッとした食感が魅力的。
・ロッシェ…アーモンドとラム酒漬けのレーズンを混ぜこんだ、小さい粒状のメレンゲ。
・ノワ・ド・ココ…ココナッツシュレッド(ココナッツロング)たっぷりの香ばしくて歯触りのよいチュイル(中、大のみ)。
・ドワ…バターとアーモンドがたっぷりのメレンゲ生地に、ジャンドゥーヤ(アーモンドとヘーゼルナッツにミルクチョコレートなどを合わせたペースト)をサンドした、軽やかな食感ながらコク深く、風味豊かなひと品(中、大のみ)。
・サン・ノン…ほろりとした食感のアーモンド風味のサブレに、皮つきアーモンドを一粒のせて(大のみ)。
・ガレット・ナンテーズ…バターとアーモンドをたっぷり使った、サクサクした食感の香ばしくて風味豊かなサブレ。かつてブルターニュ公国の首都として栄えたナントの銘菓(大のみ)。
河田勝彦(かわた かつひこ)さん
1944年東京生まれ。まだ菓子職人がフランスに渡ることが少なかった時代に、8年間フランス各地で修業を積む。1981年に「オーボンヴュータン」を開店。古き良きフランスの伝統を貫き、骨太な菓子で日本のフランス菓子界を牽引し続ける存在だ。
AU BON VIEUX TEMP(オーボンヴュータン)
所在地 東京都世田谷区等々力2-1-3
電話番号 03-3703-8428
営業時間 10:00~17:00
定休日 火・水曜
https://aubonvieuxtemps.jp/
※ラインナップ、価格等は2022年取材当時のものです。
2023.09.28(木)
文=瀬戸理恵子
撮影=合田昌弘