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恋はアイスの当たり

 そうですか、ありがとうございます。
 連載には恋の話はほぼ出てこないのですが、
「これまできっといろんな恋を経験してきたんだろうな」
 と思いながらいつも描いていたので、それが伝わればうれしいです。

──ヒトミさんを見ていると、恋っていいなと思えて、また久しぶりに恋がしてみたくなりました。どうしたら恋ができるのでしょうか。

 恋は工夫や努力でできるものではないと思います。でもわたしも、恋に走り回る40歳を描いてみたら、自分でもキュンときました。

大学の同級生と再会するヒトミさん(『ヒトミさんの恋』より)
大学の同級生と再会するヒトミさん(『ヒトミさんの恋』より)

──そうですよね……。それに、恋愛は、経験や年齢を重ねたからといって上達するものでもありません。恋に上手下手はありませんが、いい恋愛をするコツなどはあると思いますか?

 恋はしなければならないものでも、したほうがよいものでもなく、そもそも自分で決められるものではありません。恋はアイスの当たりを引いたようにラッキーなできごとなんだと思います。

──作中で、ヒトミさんも「恋は美容によいですヨ」「恋の真っ只中にいるときってさ、吸ってる空気すらいつもと違う」と言っていますね。恋のきらめきを思い出したい方におすすめしたいと思います。

ヒトミさんの恋

定価 1,430円(税込)
文藝春秋
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次の話を読む14歳年下マカベくんと大学の同級生の間で揺れ…益田ミリが描いた40歳の“恋と老い”『ヒトミさんの恋』

2023.09.02(土)
文=相澤洋美