アウトドア・ファーニチャーの世界的ブランド「Helinox(ヘリノックス)」は、環境に配慮した製品作りの一環として、ホームコレクションで使われる生地をリサイクル素材にリニューアル。同時に、アウトドア業界でのGEARブランドとしては初となるブルーサイン®認証を取得しました。

※ブルーサイン®:責任ある部材を使用し製造され、人体と環境への影響を最小限に抑制している事を最大限に保証するもの。

 さらに、チェアなどのフレーム素材にあたる軽くて強度の高い「TH72M」というオリジナル合金を作るための生産工程を見直し、「“GREEN” ANODIZING」工程の開発に成功。アウトドア・ファーニチャーを牽引するヘリノックスの革新的な技術と2023年の春夏コレクションの新作を詳しくご紹介します。

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環境に害を与えない独自の生産工程「“GREEN”ANODIZING」の開発に成功

 2009年に誕生したヘリノックスは、世界的に知られた軽量アルミテントポールのトップメーカーであるDAC社が手掛けるチェアブランドです。ヘリノックスの製品に使われている「TH72M」という合金製ポールは、非常に高い強度と柔軟性を合わせ持つ素材でできており、DAC社の技術が結集した象徴でもあります。

 素材の良さは随一ながらも、合金TH72Mを製作する過程で、伝統的に有害な酸が使われる工程が問題視されていました。ヘリノックスは多大な時間と労力を費やし、この合金TH72Mを生産する工程で、酸を使う工程を避けた独自の「“GREEN” ANODIZING」工程を開発することに成功しました。さらに、製品の外観も良好にすることができました。

 革新的な技術として国際的にも注目され、最終的には、産業汚染の減少に役立つ可能性があるとされています。「“GREEN” ANODIZING」工程を経て生産された合金TH72Mを使ったヘリノックスの商品を選ぶことこそが、環境問題において責任を果たすことにもつながります。

2023.06.25(日)
文=桐生 奈奈子