交通事故の過失割合で“10対0”とかあるじゃないですか。そういったことの知識がまったくなかったんですけど、「なんなんだろう」と自分で調べていくうちに興味を持っていった感じですね。
ーー法律が面白く思えたと。
さくら というよりも、「法律って、生きていくうえで意外と重要では?」とハッとしたんですよ。「知らないルールって、いっぱいあるんだな」って感じですかね。法律って一般常識ではないけど、知っていたほうが絶対に有利になるんですよ。
あと、法律の本って簡単に読めないので、スラスラと読めるようになりたいなと思ったのもきっかけのひとつですね。
ーー簡単に読めないのは、用語が専門的すぎるということでしょうか。
さくら というのもありますし、法律をどう解釈するのかが難しいんです。「こういった解釈が、どうやって派生していったのだろうか」とか。だからこそ、判例を読んだり、参考書を読んだりしないといけないんですけどね。
そういった勉強の仕方すらわからなかったので、「一回きちんと学ぶべきかな」って思って。
一瞬公務員を目指していた
ーー大学では、どういった法律を学んだのでしょう。
さくら 行政法と民法です。行政法はまったく知らない領域だったので、ちょっとかじってみようと学んでみたら「おっ、こんなことあるんだ。でも、難しいな」と、かえって燃えてきて。
民法は「ついていきたいな」と思える素敵な先生がいらっしゃって。まず、人として面白くて、民法にまつわる物事の本質をすごく楽しそうに話すんです。その先生のおかげで、めいっぱい勉強できましたね。
ーー事務所解散の頃に就職を考えていたとのことですが、実際に勤め先を探していたのですか。
さくら 一瞬ですけど、公務員を目指してみようかなと。それと勉強が好きなので、「どこか他の大学を受験してみようかな」とか「大学院に進もうかな」とかも考えました。
2023.06.06(火)
文=平田裕介