2023年、第11回目の開催を迎えた京都での国際写真フェスティバル『KYOTOGRAPHIE』。立ち上げから10年が過ぎ、今年からは『KYOTOPHONIE』という音楽フェスティバルも同時開催されている。2007年に写真家としてフランスから来日して日本に移住、その後、パートナーの仲西祐介氏との出会いを経て共同で『KYOTOGRAPHIE』を立ち上げたルシール・レイボーズに、来日のきっかけや立ち上げの経緯、そしてフェスティバルのこれからについて話を伺いました。


日本との結びつき、来日のきっかけ

 私自身が元々フォトグラファーなのですが、最初に日本に来たのは1999年でした。その頃はBLUE NOTEのレーベルなどCDジャケットの撮影を頻繁にしていて(今回のKYOTOPHONIEにも出演しているアフリカを代表する音楽家)サリフ・ケイタと働いていた時に、坂本龍一氏のオペラ『LIFE』のプロジェクトに招聘されたサリフに一緒に同行してくれないかと頼まれたことが、日本に来るきっかけになりました。

 そのときはドキュメンタリーを撮影するためだったのですが、それをきっかけに他の世界的ミュージシャンとの仕事も始まっていきました。

 私はフランスのリヨンで生まれたのですが、父の仕事の都合でアフリカのマリで育った時期がありました。それもあってアフリカには凄く親近感があり、サリフ・ケイタもそこからつながった部分もありますし、今回の今回のKYOTOGRAPHIE 2023参加作家であるコートジボアール出身の写真家、ジョアナ・シュマリはKYOTOGRAPHIEの初期の頃から招聘を考えていました。

2023.05.02(火)
文・撮影=山本憲資