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 縁結びの神様、出雲大社から始まり、江戸時代から続く出雲そばや明治創業の酒蔵など、歴史ある場所を巡る島根の旅。悠久の時の流れを感じ、忘れかけていた大切なものを思い出させてくれる時間は、心の澱みが浄化されるようです。


スタートの出雲大社前駅は時間の流れが緩やか

 出雲大社へ電車でアクセスする場合に利用するのが、通称“ばたでん”と呼ばれている一畑電車。電鉄出雲市駅から約25分で出雲大社前駅に到着すると、レトロな駅舎が迎えてくれる。

 この駅舎は1930年に開設され1996年に国の登録有形文化財に指定された。開放感あるドーム天井、日差しによって色合いが変わるカラーガラスなど、趣のある洋風建築は神聖な雰囲気。出雲大社に向かう前の心の準備が整っていくよう。

 駅舎内には、珍しい御朱印帳専門店の「しるべ」があり、ショップに並ぶデザイン性豊かな御朱印帳はすべて手作業で作られているという。数あるラインナップから心に響く一冊を選び、これを機に御朱印集めをスタートするのもいい。

御朱印帳専門店しるべ

所在地 島根県出雲市大社町杵築南1346-5(出雲大社前駅駅舎内)
電話番号 0853-31-4355
営業時間 10:00~16:00(時期によって営業時間が変わります)
定休日 水曜
https://www.goshuincho.jp/

いなばのしろうさぎに和みながら出雲大社に参拝

 駅から徒歩10分ほどで到着する出雲大社は縁結びの神様として知られる大国主大神が祀られ、「良い出会いがありますように」と多くの女性たちが参拝に訪れる。この「縁」とは男女の縁だけでなく、生きとし生けるものが豊かに結びつくようにという広い意味が込められているそう。「一期一会、どんな出会いも大切に」という気持ちが大事と教えられる。

 境内を歩いていて楽しいのは、表情豊かな「いなばのしろうさぎ」の石像たちとの出会い。うさぎとのご縁は、ワニ(サメ)に皮を剝がされ泣いていたうさぎを大国主大神が助けたという古事記の話からきたもの。

 66体のうさぎの石像は、祈りを捧げていたり、立って遠くを見ていたりと、一つひとつが違った姿で愛らしく、つい写真に撮りたくなる。

出雲大社

所在地 島根県出雲市大社町杵築東195
電話番号  0853-53-3100
参拝時間 6:00〜18:00
https://izumooyashiro.or.jp/

2023.03.13(月)
文=CREA編集部
写真=鈴木七絵