また、5W以下の微弱な電力は測定できず、それゆえ家電製品のスタンバイ中に流れ続けている待機電力は測定できない場合があります(取扱説明書にも「測定できません」という注意書きがあります)。待機電力をカットすることがワットチェッカーの導入目的の一つであれば、本製品はやや不向きということになります。
このほか、液晶の視野角もあまり広くなく、さらに液晶の上下にある段差のせいで影ができやすく、特に薄暗い場所では見づらい印象です。また家電製品を接続するコンセント口が下ではなく本体右側面にあるため、ケーブルが横方向に突き出る形になるなど、配線のしやすさも好みが分かれそうです。
電気料金の換算レートは「27円/kWh」で、任意の値に書き換えることも可能なのですが、ほかの2製品と違って小数点以下が入力できず、ざっくりとした料金しか算出できません。
表示されるデータの種類はひととおり揃っており、機能としては及第点なのですが、細かい制限事項を見ていくと、後述の2製品とは価格以上の差はある印象です。
複数行表示で見やすい、サンワサプライ「TAP-TST8N」
次に紹介するのはサンワサプライの「TAP-TST8N」です。実売価格は3000円弱と、前述のリーベックス製品の約2倍ですが、どのような点が異なるのでしょうか。
https://www.amazon.co.jp/dp/B01DX4JNXE
本製品の最大の特徴は、上下2段にわたって情報を表示できる大型液晶を搭載していることです。キーとなる情報であるリアルタイムの消費電力を下段に表示したまま、ボタンを繰り返し押すことで、上段に積算または1日あたりの電気料金、もしくはCO2排出量を表示できるのは、なかなか気が利いています。
さらにこの消費電力についても、別のボタンを押すことで、リアルタイムの消費電力(Watt)→積算電力(kWh)→積算時間(Hour)に切り替えられるなど、目的の情報を効率的に呼び出せます。ただし、ボタンが3つもあることから、使い慣れるまでは少々難解です。わかりやすさという点では、ひとつのボタンを連打するだけで情報が順番に呼び出せたリーベックス製品のほうが上かもしれません。
2023.03.01(水)
文=山口真弘