化粧品は少しケチった方が良いものが見つかる!

じつは私、美容も合理的に済ませることが一番と考えていて、時間的にも金銭的にも無駄をしたくないタイプ。かける所にはかけるが、ケチる所にはケチる。化粧品は少しケチった方が良いものが見つかるのだ。遊びはないけれど、買って後悔するような製品はここにはないと、そこだけは自負している。
だからありがたいのは、プチプラコスメの進化。今やプチプラというカテゴライズさえあまり意味がないほど、価格がヒトケタ違う一般コスメとプチプラが肩を並べて中身だけを競うようになった。さすがに、高いものほど良いという価格神話も崩壊しつつあり、明快な下剋上を見せられる日も近いのだろう。同時に、美容機器とインナーケアへのある種の偏見も少なくなってきた。
何が起ころうと化粧品が一番上という順位づけが長年あったけれど、インナーケアの進化も目覚ましい。うっかりすると「完全メシ」のような機能性表示食品が、化粧品代わりになる日も。美しく健康になるという目的は共通、あらゆるジャンルがその一点に向かっていく時代。
そういう未来を見据えると、物の見方もまた変わってくるはず。いずれにせよ、既成概念や境界線を今こそ取り払って、ノンジャンルで自分の名品を見つけよう。
齋藤 薫 (さいとう かおる)
女性誌編集者を経て美容ジャーナリスト/エッセイストに。女性誌で多数のエッセイ連載を持つほか、美容記事の企画、化粧品の開発・アドバイザーなど幅広く活躍。CREAには1989年の創刊以来、常に寄稿している。
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- 文=齋藤薫
Photographs=Hirofumi Kamaya - category
CREA 2023年冬号
※この記事のデータは雑誌発売時のものであり、現在では異なる場合があります。

