Q.3 妊娠中は肌トラブルが起きやすいって本当?
A.3 シミやソバカスが沈着しやすいので、紫外線対策をしっかりと
妊娠すると、ニキビやシミができやすくなったり、肌がカサカサになったりして、「肌が変わった?」と不安に思うことがあります。これらは、すべてホルモンバランスが変化するために起こること。特に、妊娠中はメラニン色素を作る女性ホルモンが活発に分泌されるため、シミやソバカスができやすくなります。ホルモンの変化によって一時的にできたものは出産したら自然と消えますが、紫外線によって沈着してしまったシミやソバカスは一生消えません。外出するときは日焼け止めクリームを塗り、帽子や日傘を使い、今まで以上に紫外線対策を徹底しましょう。
妊娠中は皮膚が敏感になって、かゆみを感じることもあります。20%くらいの妊婦さんに見られる症状で、顔から体全体へと広がることもあります。今まで使っていた化粧品が合わなくなって敏感肌用のものにかえたり、自然素材の肌に優しい下着をつけたりする人も。お風呂で体が温まるとかゆみは増すので、患部をそっと冷やすようにしてください。それでも我慢できないときは、かかりつけの産婦人科で薬を処方してもらって。こうした肌症状は出産してホルモンの状態が戻るとおさまりますので、安心してください。
【教えてくれたのは】
笠井靖代さん (日本赤十字社医療センター 産婦人科医師)
日本赤十字社医療センター第3産婦人科部長。医学博士、産婦人科専門医、臨床遺伝専門医。専門は周産期学や臨床遺伝学など。著書に『35歳からのはじめての妊娠・出産』(ナツメ社)がある。NHKの子育て情報番組『すくすく子育て』にもコメンテーターとして出演中。
赤山美智代さん (日本赤十字社医療センター 助産師)
日本赤十字社医療センター産科外来・小児保健部看護師長。助産師として、大学病院、総合病院、助産院で勤務し、これまでにたくさんの女性の出産介助や、妊娠期、産後期の保健指導に携わってきた。また、助産師教育にも力を入れており、多くの助産師を育てている。
2013.11.26(火)
text:Kayuki Senoo
photograph:Twonix Studio/shutterstock.com