この記事の連載

 夜ふけにマンガを読みながら、思わずお腹が鳴る……。

 CREA2022年秋号「夜ふかしマンガ」特集に掲載された、「マンガ食堂」管理人・梅本ゆうこさんのナビゲートで“飯テロ”フードシーンを全5回でお届けする企画。

 第二弾の今回は、『ゴールデンカムイ』の鮭のチタタプとチポロラタシケプをご紹介します。

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『ゴールデンカムイ』の鮭のチタタプとチポロラタシケプ

 金塊を巡って命がけの争奪戦に挑む人々の群像劇だが、狩猟やジビエグルメ、アイヌ文化、戦争、謎解きに、笑いとアクション、エロスまで何でもありの和風闇鍋ウエスタン。

「アイヌの食文化の知識が満載で、代表料理は杉元も大好きなチタタプ。“我々が刻むもの”という意味の料理ですが、これはぜひ何人かでチャレンジを。ひとりじゃ疲れて作れないってわかるから。クールな尾形ですら参加した気持ちがわかるかも!?」(梅本さん)

作って食べたいマンガの中のあのフードレシピ

 材料と作り方は、マンガのシーンを元にフードコーディネイターの中山暢子さんと考案したもの。参考にしてトライしてみて!

鮭のチタタプ【13巻】

■材料(作りやすい分量)

・生食用鮭の頭の氷頭とエラ、白子:1尾分
・昆布:小1枚(5g)
・塩:少々

■作り方

(1) 昆布は200℃のオーブンで10分加熱する。冷めるまでそのまま置き、細かく砕く。

(2) 鮭の頭は氷頭(上あごの真ん中の軟骨のある部分)を切り取り、エラを外す。エラは水でよく洗って血を抜く。

(3) 氷頭とエラは出刃包丁である程度小さく切る。2丁の包丁を使って「チタタプ」と言いながら細かくなるまで叩く。チタタプすればするほど美味しくなる。

(4) (3)に白子を加えてさらに細かく叩く。(1)を加えて混ぜ、塩で味を調える。

※鮭の頭はかたいので、キッチンバサミで氷頭を切り取ってもよい。お好みで鮭の刺身や、長ねぎを加えてチタタプしても。生食用の鮭が手に入らない時季は、チタタプをオハウ(煮込んだ汁物)にするなど加熱して食べて。

チポロラタシケプ【13巻】

■材料(1人分)

・じゃがいも:2個
・塩:小さじ1/2
・イクラ(塩漬けまたは醤油漬け):適量

■作り方

(1) じゃがいもはよく洗って鍋に入れ、かぶるくらいの水と塩を加えてやわらかくなるまで茹でる。途中、水を足しながら茹でる。

(2) じゃがいもは皮をむき、フォークなどで潰す。熱いうちにイクラを加えて混ぜる。

※アイヌ料理では生筋子(チポロ)を使う。生筋子の場合は弱火で半煮えにしてからじゃがいもに加え、塩で味を調える。

『ゴールデンカムイ』野田サトル

舞台は日露戦争終戦後の北海道と樺太。アイヌの少女・アシリパと元陸軍兵の杉元佐一を中心に一癖も二癖もある面々が金塊争奪を巡ってサバイバルバトルを展開する。実写映画化も予定。

集英社 594~693円 全31巻

梅本ゆうこ(うめもと・ゆうこ)
ブログ「マンガ食堂」管理人

マンガに登場する料理に魅了され、実際に再現してブログ「マンガ食堂」で紹介。普段は会社員兼主婦。主な著書に『マンガ食堂』(リトル・モア)がある。

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マンガの中のあのフード

2022.09.23(金)
Text=Kaori Minetsuki
Photographs=Masahiro Shimazaki
Food coordinate & Styling=Nobuko Nakayama

CREA 2022年秋号
※この記事のデータは雑誌発売時のものであり、現在では異なる場合があります。

この記事の掲載号

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