堀 なので、うちは生協を頼んでました。近所で集まって商品を受け取る班配達という方法で頼んでましたけど、我が家は量が多いので家まで持ってきていただけるようにしてくれて。
洗濯機は「2年しかもたない」
ーー洗濯機は1台でカバーできましたか。
堀 いま使っているものの前の洗濯機まで、2年しかもちませんでした。すぐにどこかの部品がダメになっちゃって。最初に壊したときは「たまたまかな」と思ったけど、何度も壊れることが続いて、単純に使いすぎ、回しすぎだと気付きました(笑)。
1日に5回は回してましたから。それとは別にタオル類の洗濯乾燥は2回。「もう梅雨時は勘弁してほしい」って感じでしたけど、洗濯機もそう言いたかったんじゃないかって(笑)。オールナイトで、ずーっと回っていました。
四男が生まれてマンションを引っ越したんですけど、1階のエントランスと駐車場の上にある2階を選びました。洗濯機を一晩中回すので、音で迷惑を掛けたくなかったんです。
7人の子供を育て上げる原動力となった「憧れ」
ーー過去のインタビューで「大家族に憧れがあった」とお話をされています。その思いで7人の子供を育て上げることができた?
堀 もともと体力も気力もあって、へこたれないんですね。自分の限界まで人生を謳歌したいタイプ。
ちっちゃい頃は、ものすごく孤独。本当に本が好きで、ずっと本を読んで自分の殻に籠もっていて。芸能界に入った時は、周りから「エッ」ってビックリされたくらいで。
暗くもなかったし、マイナス思考でもなかったけど、とにかくませていて。「おたくの娘さん、目がませているのでなんとかしてください」なんて、母が学校の先生に呼び出されたことがあって、母に「人の目をじっと見つめるのはやめなさい」と叱られましたから。
ませていて、自分の中から湧き出てくる表現や欲求をどこにぶつけていいのかわからない子供。それが芸能界に入って、歌やお芝居にぶつけていけるようになって。
ー一芸能活動もご病気も家庭や育児も、すべてにチャンネルを開いて、内なるエネルギーをぶつけてしまう。
堀 そうですね。生まれてきたからには、普通で終わらせない、自分をフルに使って人生を謳歌したい気持ちが、ちいさな時からありましたね。
写真=杉山拓也/文藝春秋
羽田空港で“あの時の僕です"と声をかけられ…「ビビビ!という感じで」 堀ちえみ(55)が語る、「2度目の再婚」を決意するまで へ続く
2022.09.03(土)
文=平田 裕介