――キッチン台もちゃんと火が使われていますよね。

あさみ そうですね。もともと小さい高炉があったんですけど、それがキッチンの形だったので、それをキッチンにしちゃおうということで使っています。なので、ちゃんと火が使えるようになっていて、旅館の食事についてくるような固形燃料を小さく切ったり、ロウソクを使ったりして火をつけています。

料理自体は小さいが、ちゃんと音もするところもかわいい

――「ちびめし」は小さいのにとても美味しそうですよね。何か撮影時に工夫していることはあるのでしょうか。

あさみ 「テイストメイド」はもともと料理動画を作っていて、しずる感(※食欲をそそるような美味しそうな様子)を売りにしているところがあるので、それはミニチュアになっても変わらず意識しています。

 ただ、「ちびめし」は小さい分、しずる感を出すのがすごく大変です。マシュマロを使うレシピで、マシュマロをちょっと炙るんですけど、撮影でモタモタしているとすぐ固まっちゃう。なので、結構な数をやり直しました。チョコレートはあっという間に溶けるし、マシュマロは固まるし、みたいな(笑)。苦労しながら一番美味しそうに見える瞬間を撮影しています。

――映像以外でこだわっている点はありますか。

あさみ 「ちびめし」をご覧になる時にあまり音を出して観ていないと思うのですが、実は調理中の音も録っています。ミニチュアの包丁とまな板で実際に野菜を切る音は結構しっかり「シャキシャキ」って音がして。あとはフライパンで何か炒める時の「ジュー」っていう音がしたり。料理自体は小さいですけどちゃんと音もするので、そこが可愛いよね、ということで音も収録しています。

 

 ただ、収録している時は全ての音が入ってしまうので、お腹の音とかも入っちゃうんですよ。なので、お腹が空いた状態で撮影するとお腹の音が入ってしまって中断することもよくありますね(笑)。

2022.03.12(土)
文=「文春オンライン」特集班