映画『恋する寄生虫』で初顔合わせとなった、若手俳優のトップランナー・林 遣都さんと小松菜奈さん。

 虫によってもたらされた恋に落ちていく、孤独なふたりを描いた本作。林さんは極度な潔癖症の高坂賢吾を、小松さんは視線恐怖症の高校生・佐薙(さなぎ)ひじりを演じている。ふたりに共通している点といえば、クールな佇まいの内に秘めている、芝居への高い熱量。だからこそ、異色なラブストーリーにおいて、切なくも美しく絡み合う演技の化学変化が光っている。

 インタビューでは、シーンごとに話し合って作っていったという真摯な現場でのエピソードにくわえ、最近“愛でている”ものまで、語ってもらった。


特殊な設定がコロナ禍の世界と偶然にもリンクした

――『恋する寄生虫』で描かれている恋は「運命なのか、虫の仕業なのか」という何とも新しい形態です。おふたりは台本を読んで、すっと世界観に入っていけましたか? 

 林 まず設定がすごく面白いと思いました。コンプレックスがあったり、社会に適応できない部分を持っていたりする人の7割は寄生虫が影響している、という。虫の設定を突き詰めて、リアリティばかりを考えてはよくないかなと思いつつも、今の世の中において見方を変えればなくはない話なのかな、と思ったりもしました。

 それこそ、コロナ禍になって、世の中が変わることによって気持ちがどんよりしたり、今までになかったほうに思考がいってしまうことって、誰しもあると思うので。そういう意味では、身近でもある内容だと感じました。

 小松 そうですよね。コロナ禍になり、高坂(林さん)のような潔癖症の方々の気持ちがわかる人たちも増えたと思います。ただ、撮影していた時期はコロナ前だったので、マスク越しのキスだったり、ヘッドフォンをしていたり、ゴム手袋をつけて生活していたりするのは、ある種、特殊というか。それらを「受け入れてもらえるのかな?」という疑問もありました。

 異色なラブストーリーということもあって説明も多いですが、それだけじゃなくて、人と向き合うことでの心の変化や、言葉だけじゃないものをちゃんと伝えたいなと思って臨んでいました。ふたりが触れ合うことで起こる気持ちの動きみたいなものを、きちんと演じなきゃいけないなと思いました。

2021.11.13(土)
文=赤山恭子
撮影=佐藤 亘
ヘアメイク=主代美樹(GUILD MANAGEMENT)/林さん、小澤麻衣(mod’s hair)/小松さん
スタイリング=菊池陽之介/林さん、遠藤彩香/小松さん