「マジやばい!」と思う同世代がいることを知った
――松たか子さんとは、舞台では岩井秀人さんプロデュースの『いきなり本読み!』以来ですね。
実は映画『ラストレター』でもご一緒したんですが、同じシーンの撮影はなく、舞台挨拶でしかお会いしたことなかったので、『いきなり本読み!』が初めてのようなものでした。やっぱり近くにいると凍らされるんじゃないかと……氷のお城に住んでいらっしゃるんだろうと思っていましたけど……。
――ああ! 「Let It Go」(『アナと雪の女王』)ですね (笑)。
すごく優しい方でした。NODA・MAPの『Q』など、松さんの舞台を観せていただいて、とんでもなく滑舌がよくて完璧な人というイメージでした。迫力のある方なのかなと思っていたら、普通に優しいお姉さんでした。
今回は二人の絡みが多いので、仲良くやらせていただいています。
――夏にはドラマ『コントが始まる』で、同世代の菅田将暉さんや仲野太賀さんと共演されました。28歳になり、芝居に対してなにか変化はありましたか?
僕はお芝居が好きなので、これまではひたすら素直に(?)芝居をしてきたんです。
でも、『コント~』では、売れない芸人たちというドラマの設定もありますが、みんながあえて波を起こそう、ぶちかまそうとしていました。
「マジやばい!」と思う同世代がいることを知って、そういう挑んでいく精神は年齢に関係なく大事なんだなと思いました。僕のなかですごく大きな変化です。これからどういう芝居をしていくようになるのか、楽しみでしかないです。彼らには本当に感謝しています。
――みなさんが演じられたコントユニット「マクベス」、再結成してほしいです。
本当ですよ!
――神木さんはいつも明るく、場を楽しく盛り上げておられます。ネガティブになることはあるのですか?
ありますよ(笑)。雑誌をめくって、かっこいい人を見たりすると落ち込みます。もうちょっと背が高かったら、こういう服もかっこよく着られるのかな……とか。
――そこからどうやってポジティブに変換を?
そういうときは自分のことを思い切りけなして、いったん嫌いになります。でも、友達から電話がかかってきたりするとすぐ忘れます。面白い時間だったなと思いながら。
――客観視していらっしゃるんですね。役をご自分に乗せているようです。
ネガティブになっている自分を、後ろからニヤニヤ笑って見ている自分がいるんです。
感情に逆らうと余計にストレスがかかります。そういうときってゲームをやってもつまらないじゃないですか。だから、とことん落ち込めばいいと思っています。そのうち疲れて(気持ちも)上がってくるでしょ? と。
基本ポジティブなので、反動でネガティブになることがあるんだろうと思います。人がいると全然大丈夫なんです。(相手に)楽しんでもらいたいので、ネガティブになるのは一人のときだけですね。
2021.11.02(火)
文=黒瀬朋子
撮影=鈴木七絵
ヘアメイク=☆MIZUHO☆(vitamins)
スタイリスト=JUNSHI