寝るためのゴールデンタイムはない、深い睡眠を心がけよう
22時から2時はゴールデンタイムと聞いたことがあるだろう。
これはこの時間帯に寝ていると成長ホルモンが分泌されるから、というのが根拠であった。だが、最近ではこの定説は覆されている。
確かに睡眠時に成長ホルモンは分泌されるが、時間帯とは深い関連性はないことが明らかになっている。
重要なのは、時間帯ではなく、睡眠の質と長さ。
睡眠にはふたつの質の異なる睡眠がある。深い眠りである「ノンレム睡眠」と浅い眠りである「レム睡眠」があり、このふたつの睡眠を60分から90分サイクルで繰り返しながら眠っている。
成長ホルモンは、眠りについてから3時間の間に最も多く分泌されており、最初に訪れる深い眠りである「ノンレム睡眠」のときにピークを迎えているという。
つまり22時から2時にこだわることはなく、最初のノンレム睡眠をしっかりとることが重要となる。ただ1日の睡眠時間を考えると、やはり午前0時前には就寝しておきたい。
「歳をとってくると、睡眠の質が悪くなりやすいので、ある程度睡眠時間を取る必要があると思います。睡眠は脳や体、すべてをリセットする時間としてとても重要。患者さんにも日付けが変わる前には必ず就寝しましょう、と指導することが多いですね」と浜中聡子先生。
意識して良い睡眠を取るように心がけましょう。
健康寿命を美しく重ねるための
知っておきたい体のことQ&A
2021.05.17(月)
文=嵯峨佳生子
イラスト=マスダアキ
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