日本はサウナ先進国! BEST of 健康インフラ
「公衆浴場法の影響で日本の銭湯は五百円以下。そこにサウナ料を加えても千円程で、世界中でみても日本は安いんです。また、サウナ文化で有名なフィンランドには水風呂はありませんが、日本では昔からサウナ室とセットで水風呂を設置。水道水も通年17度くらいで水風呂に丁度良い。銭湯&サウナの数も多く、“ととのい”天国なんです!
人は、ハードルが高いことはなかなか続かないもの。その点、サウナは身近にあり、お手軽。健康インフラとしてとても優秀です。ぜひ、自分好みのサウナを見つけてみてください」
初心者サウナー Q&A
Q:水風呂が冷たそうで入るのが怖い……。
「冷たそう、と感じてしまうのは、体がしっかりと温まりきっていないことも原因のひとつ。サウナで十分温まった体では、水風呂が気持ち良すぎて『ありがたや~』と声が出てしまう程。水風呂は底が一番冷たく、水圧もかかりさらに冷えてしまうので、足を水面から上げてみると楽になります。本当はプカプカ浮くのが一番良いんですが(笑)。初めて水風呂に入るときは体調の良いときを選んで」
Q:サウナに行くベストな時間帯は?
「サウナ終了後3~4時間で、細胞のダメージを修復修繕してくれるヒートショックプロテイン70が出始めます。その頃に入眠していると、HSP70の恩恵を最大限受け取れ、ノンレム睡眠の時間が長くなったり、免疫力UPや美肌にも効果があるので、逆算してみましょう」
Q:行きたいけどコロナ感染が心配で……。
「“サウナの混雑表示システム”アプリを導入したり、人数制限をかけているところも。人気サウナに拘らずにリサーチするのも手。空いている優良な施設もたくさんありますよ」
【CHECK IT】正しい入り方をおさらい
(1) サウナでしっかり温まる
髪や体を洗い、水分補給をしたら、サウナ室へイン。熱センサーが敏感な顔が火照っていても足はまだ温まりきっていないことも。そんなときは、濡れたタオルを顔に被せてクールダウンしてみよう。出るタイミングは、“足先までしっかり温まったら”を目安に。
(2) 水風呂でクールダウン
ぬるい水のシャワーを浴びたり、手や足先に水を掛け、少し体を慣らしたら、いざ水風呂へ。大きく息を吸い、吐きながら入ると、心臓への負担が減り、バクバク感が抑えられる。つらくなければ肩まで浸かり、ゆっくり呼吸を。
(3) 外気浴で“ととのい”タイム
屋外で横になることができればベストだが、椅子の数が少なく、“ととのい”難民がウロウロ、ということも。屋外スペースがない場合は、湯船の縁に腰掛けたり、脱衣所に戻り休憩を。季節にもよるが、5~10分程ゆったりと。
(1)~(3)を3セット繰り返す。
日本初の完全個室フィンランド式サウナ
ソロサウナtune/東京・神楽坂
完全プライベート空間だから、サウナ室内で横になったり、セルフロウリュをしたりと、自由に過ごすことが可能。水風呂の代わりに、大型オーバーヘッドシャワーでクールダウン!
所在地 東京都新宿区天神町23-1 UNPLAN Kagurazaka1F
営業時間 8:50~23:10、土・日曜、祝日9:00~ 不定休
料金 シングルルーム(1名利用)60分 3,800円(税込)、グループルーム(最大3名利用) 11,400円(税込)
https://www.solosauna-tune.com/
●お話を聞いたのは……
加藤容崇(かとう やすたか)先生
慶應義塾大学医学部腫瘍センターゲノム医療ユニット特任助教・医師、北斗病院・医師、日本サウナ学会代表理事。著書に『医者が教えるサウナの教科書』。サウナにはほぼ毎日通う。“ととのう”を数値化して測ることができたら、という想いから“ととのい”センサーなるものを開発中。
2021.03.29(月)
Text=Tomomi Furusawa
Illustration=Haruka Kanzaki