■作り方

(1) ブリと豆腐は食べやすい大きさに、ニラは10センチ程度に切ります。※今回は木綿豆腐を使っていますが、お好みでかまいません

(2) 鍋に豆腐とブリ、Aの調味料を入れて10分ほど中火で煮ます。調味料は市販の「すき焼きのたれ」などで代用してもOKですよ。

(3) 写真は直径18センチの片手鍋を使っています。材料表にある調味料の量では、具材が煮汁でつかるほどにはなりませんが、強めの中火にして、泡が立つようにしてください。ときおりゆすって、煮汁が全体にまわるようにすると、おいしく仕上がりますよ。

(4) 最後にニラを1分ほど煮て、盛りつけます。スペース的に余裕がなかったので、私は豆腐とブリをうつわに移してから、ニラだけを入れてサッと火を通しました。ニラはすぐ火が通ります。

 すき焼きの味つけでニラとブリ、という組み合わせ。意外なほどに相性がいいんです。ニラの強い香りとブリのこってりした味わいを、甘い醤油味がうまいこと包んでまとめますね。

 本当は高知県で冬場によく食べられる「葉ニンニク」という青菜でやるんです。ニンニクの若葉で、しっかり本来の香りがしつつ、甘みのある野菜。全国的には手に入りにくいので、ニラで代用しましたが、こちらもなかなか。

 高知は四万十町窪川にある「美馬旅館」という歴史あるお宿でいただきました。完全にすき焼き風に、糸こんにゃくや白菜も入れて鍋仕立てで。うまかったんですよ、これが。高知は独特の食文化が実にたのしいところ。コロナが落ち着いたら食いしん坊のみなさんはゼヒ訪ねてほしいです。

美馬旅館

https://www.mimaryokan.jp/
※料理に関しては利用前に問い合わせを

白央篤司(はくおう あつし)

「暮らしと食」がテーマのフードライター。著書に『にっぽんのおにぎり』 (理論社)、『自炊力』 (光文社新書)など。現在オレンジページ、メトロミニッツ、ハフポストなどで連載中。料理家としても活動、企業へのレシピ提供などを定期的に行う。
http://hakuoatsushi.hatenablog.com/

Column

白央篤司の罪悪感撲滅自炊入門

料理を「作らない・作れない」ことに罪悪感を持っている人に贈る、フードライター・白央篤司さんの金言&レシピ。冷凍食品にちょい足しするのも立派な自炊。簡単なことから始めてみませんか?

2021.03.08(月)
文・撮影=白央篤司