料理を「作らない・作れない」ことに罪悪感を持っている人に贈る、フードライター・白央篤司さんの金言&レシピ。どんなものであれ、作ろうと思ったそのこと自体が尊い。今晩はひと品、作ってみませんか?


 先日何気なく作ってみたら、思いのほかおいしかった「ホタテとクレソンの炊き込みごはん」を、本日はご紹介しますね。

 正式にはホタテを炊き込んで、刻んだクレソンをたっぷり混ぜ和えたごはんです。ひとことでは言いにくい(笑)。

 材料は以下になります。

■材料(2~3人分)

・ホタテ:130g~140g程度
・クレソン:7~8本(40g程度)
・米:2合(といで浸水させておく)
・酒:大さじ1
・みりん:大さじ1
・醤油:大さじ1と1/2
・塩:小さじ1/2

 ホタテはこのような、一度茹でられている小ぶりなものを使いました。値段も手ごろで、すぐ料理に使える点が気に入っています。手間でなければ、もちろん生のでも。よりうま味とコクが出ますよ。

■作り方

(1) ホタテは貝柱とそれ以外にわけ、貝柱は手で半分から3分の1ぐらいに小分けにさきます。ヒモの部分などは2センチ大ぐらいに刻み、クレソンの茎は5ミリ幅ぐらいに切り、葉の部分2センチ幅に切ります。

 貝柱はあまり小さくしないほうが、食感が残っておいしいですよ。

(2) お米を炊飯器に入れて、酒とみりんと醤油、塩を先に入れます。うちは炊飯器がないので鍋でやっていますが、お気になさらず。

(3) 2合のところまで水を入れてください。2~3回かき混ぜておきます。

(4) 先ほど小分けにしたホタテとヒモなどの部分を上にまんべんなくのせて、炊飯します。

(5) 炊きあがったら、刻んだクレソンを加えて……。

(6) 全体によーく混ぜますよ。これでもう完成!

 ホタテのうま味を吸ったごはんと、爽やかなクレソンの香りが実にいい相性でした。飾り用にちょっとクレソンをとっておくのもいいですね。クレソンの苦みとホタテの甘みがあざやかなコントラスト、ぜひお試しください。

 クレソン以外だと、刻んだ三つ葉、セロリの葉なんてのもいいですよ。セロリ大好きという方にはおすすめ。あるいはエゴマの葉なんてのも、ちょいとハイブロウな味になります。

 それでは、また。

白央篤司(はくおう あつし)

「暮らしと食」がテーマのフードライター。著書に『にっぽんのおにぎり』 (理論社)、『自炊力』 (光文社新書)など。料理家としても活動、企業へのレシピ提供などを定期的に行う。家では炊事全般と猫2匹の世話を担当中。
http://hakuoatsushi.hatenablog.com/

Column

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2021.02.11(木)
文・撮影=白央篤司