withマスク生活で人と会話をする際にも口もとが見えない分、“声”による表現がこれまで以上に重要な役割を担うようになりました。しかし、マスクや会話の機会が減ることによって「相手の声が聞こえづらい」「自分の声がうまく聞き取ってもらえない」「滑舌が悪くなった」という発声に関する悩みと同時に、表情が乏しくなった、フェイスラインがたるんできたといった顔に関する悩みも増えてきたというのが現実。
そこで、今注目が集まっているのが「声」と「顔」を同時に良くすることができる「美顔ボイトレ」。その基本メソッドを美顔ボイストレーナーの鳥山真翔さんに教えてもらいました。
声が変われば顔が変わる!? 一挙両得の"美顔ボイトレ"
早速ですが、気になる「美顔ボイトレ」とは?
「基本的には、発声を良くするボイストレーニング。“声を良くするためにボイトレを頑張っていたら顔が小さくなっていった!”というのがきっかけで、発声と表情筋との関係を研究するようになりました」(鳥山さん)
実は、いい声を出すために鍛える表情筋こそ、若々しい印象を保つうえでとても大切な筋肉。それゆえ、ボイストレーニングをすることによって美声と美顔が同時に手に入るのです。
「声を良くすると、自分の気分や性格にも影響します。脳は自分自身の声を常に聞いているので、明るい声だとテンションも上がりますし、反対に暗い声を聞いていると気分も落ち込みます。また、年齢が声に現れると聴覚からそれを察知し、自分で自分が老けたと認識してしまいます。つまり、声が若々しく明るくなれば、表情や気分も若々しく明るくなれるのです」
いい声は「鼻の奥」で響かせる
「“腹から声を出す”という表現がありますが、発声的には間違い。正しくは鼻の奥の鼻腔で響かせること(=「鼻腔共鳴」)で、よい声が出せます。
そのためには、まずはしっかりと鼻呼吸をすることが重要です。しかし、ストレスによるあごの食いしばりや、マスク生活による口呼吸、姿勢の悪さなどによって呼吸が浅くなっているという人も少なくありません」
そこで取り入れたいのが、鼻呼吸をしやすくするための表情筋のトレーニング。
「表情筋はやみくもにすべて鍛えればいいというものではなく、動かすべき筋肉と動かさないほうがいい筋肉があります。特に動かしたくないのがあごの筋肉。あごは少し開いている状態が正しく、食いしばりが起こると呼吸が浅くなり、のどが圧迫され発声を妨げるとともにエラ張りやフェイスラインのたるみの原因に。あごは使わず、あごより上の筋肉を使うのが基本。なかでもたった2つの表情筋を鍛えれば、深い鼻呼吸によるいい発声と美顔が手に入りますよ」
2021.02.27(土)
Text=Kyoko Murahana
Photographs&Videographs=Kiichi Matsumoto