その3:ポップコーンを作って映画館気分で飲む

 『のみタイム』を一緒に作らせてもらったスズキナオさんは、「映画館にはポップコーンを食べに行っているようなもの」とすら豪語するほどのポップコーン好き。

 しかもその欲が高まると、スナック菓子タイプの出来合いのものではなく、今まさにポップしたてのものじゃないと気が済まないのだそう。

 それが高じて、専用の「ポップコーンマシーン」と「ポップコーンの素」を購入し、しばしば自宅でポップコーン晩酌をしているのだとか。

 僕はそこまでポップコーンに思い入れはなかったものの、そう言われるとなんだかうらやましくなる。ポップコーンマシーンっていくらするんだろ? なんて、気になっては調べたりする日々が続いていました。

 そんなある日、大きめのスーパーで、まさにポップコーンの素「原料豆」なる商品を発見。

1kgの業務用サイズ

 手にとって裏の説明書きを見てみると、なんだ、専用の機械がなくても、フタつきの鍋やフライパンがあれば作れるんじゃないですか。

 ということでおよそ500円ほどだったそれを買って帰り、さっそくポップコーンを作ってみます。

鍋底に素を敷きつめ、全体にいきわたるくらいの油を投入

 そのほうが絶対に美味しいので、ここにバターも加えて強火にかけます。

 しばらくすると「ポン! ポン!」とポップコーンが弾けはじめるので、弱火にして鍋を軽くゆすってあげましょう。「ポン!」がおよそ聞こえなくなったら完成。この工程が、何度やっても楽しくてたまりません。

 しかも、およそ50グラムくらいの素から、たっぷり市販のビッグサイズのポップコーンくらいの量ができてしまうので、1キログラムあれば想像を絶するほどのポップコーンが作れてしまうのがすごい。

鍋いっぱいの熱々ポップコーン!

 全体に塩をふり、お好みでスパイスやメープルシロップなんかをかけてやってもいいでしょう。

 できたて熱々のポップコーンは香ばしくてふわふわで、市販品とは一線を画す絶品。一度この味を知ってしまったら、確かにポップしたてじゃないと物足りなくなってしまうかも……。

自室でお気に入りの映画を見ながらコークハイとともにむさぼれば、気分は映画館!

 以上、何気ないことではあるけれど、ちょっとの工夫で家飲みはまだまだ楽しくなるかも? というご提案でした。

 まだしばらくは先の見えない日々が続きそうですが、不要不急の外出は避けつつも、少しでも楽しいお酒ライフを送っていきましょう~。

『のみタイム 1杯目 家のみを楽しむ100のアイデア』

スタンドブックス 1,500円

若手飲酒シーンを引率する、人気ライターのパリッコさんとスズキナオさんが編集・執筆を務める飲酒と生活の本『のみタイム」の記念すべき1冊目。

ラズウェル細木さんや、夢眠ねむさん、清野とおるさん、イーピャオさんなど執筆陣も、とにかくお酒が好きな人ばかりです。

パリッコ

酒場ライター・漫画家。酒場好きが高じて会社員から酒場ライターに転身。未知の大衆酒場、ちょっと怪しいとされる店にも果敢に訪れ、心のオアシスを発掘。酒場愛に溢れた文章やイラストは、吞兵衛の心をわしづかむ。酒カルチャー雑誌『酒場人』監修。著書に『酒場っ子』(スタンド・ブックス)ほか。
Twitter:@paricco

2021.02.06(土)
文・撮影=パリッコ