vol.35 MIKIMOTO COMME des GARÇONS(ミキモト コム デ ギャルソン)

「パールのネックレス」

 最近は、洋服もユニセックスのものが増えてきましたね。レディス、メンズという垣根を越えて洋服を選べるようになると、それだけお洒落の幅もぐんと広がるように思います。

 しかし、ジュエリーでは、ユニセックスで楽しめるアイテムは、まだまだ多くありませんでした。そんな中で発表されたのが、この「ミキモトコム デ ギャルソン」のネックレス。広告ビジュアルで、メンズのモデルがこのネックレスを着けているのを見た時には、あまりの斬新さに衝撃を受けました。

 ミキモトのパールというと、「上品」「清楚」といったイメージの代表格。純白のパール自体、とてもフェミニンなものなので、今まで「メンズでパール」という概念自体がありませんでした。

 しかし、このネックレスは、白蝶真珠のネックレスに、「COMME des GARÇONS」というシルバープレートが付いていて、それだけで正統派のパールが、モードなイメージに一新。パールの優雅さに、シルバーのロゴの強さが加わって、「これなら男性がしても女性がしても素敵だな」と思えるデザインだと思います。

 今まで、ジュエリーの中でも、パールは特に男性が身に着けるのは難しいと思っていたので、なるほど、こういうアプローチがあったのかと感激。宝石にはまだまだ新しい可能性があるのだと気が付かされました。

 このネックレスは、例えばシンプルなドレスなどに着けても素敵ですが、メンズライクを意識して、シャツの上から着けるのがおすすめ。

 コンサバではなく、モードを意識して、今までとは違う合わせ方を楽しんだほうが、このネックレスの個性が引き立つと思います。発想次第で、ジュエリーはもっと楽しくなる……そんな想いを抱かせてくれたネックレスです。

「ミキモトとコム デ ギャルソン、日本を代表する二つのメゾンのコラボレーションということ自体がわくわくする。

 それぞれのブランドの個性が上手く合わさり、すごく素敵。男性がしても素敵ですが、歳を重ねたマダムがさらっとしていても格好いいと思います」(伊藤さん)

伊藤美佐季(いとう みさき)

ジュエリーディレクター、スタイリスト。フィレンツェに遊学、帰国後スタイリストに。つける人の個性を活かしたスタイリングは、女性誌のほか多くの女優からも支持が高い。ジュエリーに関する講演などでも活躍。近著に『そろそろ、ジュエリーが欲しいと思ったら』(ダイヤモンド社)。

Column

伊藤美佐季のセンス・オブ・ジュエリー

ジュエリーディレクターの伊藤美佐季さんが指南する、大人のためのジュエリーの選び方と、つけ方のエッセンスを連載でお届けします。

2021.01.06(水)
Text=Miwako Yuzawa
Styling=Misaki Ito
Photographs=Masami Naruo(SEPT)
Make-up=Nobuko Maekawa(Perle Management)
Hair=Kazuhiro Naka(KiKi inc.)

CREA 2021年1月号
※この記事のデータは雑誌発売時のものであり、現在では異なる場合があります。

この記事の掲載号

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思いもかけない日々となった2020年。いつもと違う毎日のなかで新しい習慣ともなんとか付き合ったり、戸惑うこともあったと思います。思い通りに会えない日々が続いても、贈りものという形で気持ちを届けたい――。誰もが頑張った一年と、新しい明日に贈る、感謝とご褒美、ときどきエール。いろいろな想いをギフトにして届けます。