(C) Felix Clay 2013. Courtesy of Barbican Art Gallery
マルセル・デュシャンは、20世紀の美術史のなかでピカソと並ぶ強い影響力を持ったアーティストだ。「コンセプチュアル・アートの父」とも呼ばれる彼は、1910年代から既製の工業製品をそのまま作品として展示したり、偶然に生じた結果を作品制作に取り入れるなど、芸術の既成概念を覆すような活動を行ってきた。その革新的な遺伝子は現代のアートにまで受け継がれている。
ロンドンのバービカン・センターで開催中の『花嫁と独身者たち:デュシャンとケージ、カニングハム、ラウシェンバーグ、ジョーンズ』はデュシャンと50~60年代のアメリカ現代アートの関係をテーマにした展覧会だ。1940年代からニューヨークに定住したデュシャンの周囲には、彼の作品に強い関心を示す若いアーティストたちがいた。そのなかでも作曲に偶然性を導入したジョン・ケージ、ポストモダンダンスの振付家マース・カニングハム、ネオダダの美術家のロバート・ラウシェンバーグとジャスパー・ジョーンズはよく知られている。
2013.03.12(火)