vol.33 TOM FORD(トム フォード)

時計

時計〈上〉(SS、黒文字盤、径40mm、自動巻) 400,000円、レザーストラップ 28,000円、レザーウォッチカフ 20,000円、〈下〉(SS、白文字盤、径40mm、自動巻) 400,000円、アリゲーターストラップ 75,000円、アリゲーターウォッチカフ 45,000円/トム フォード タイムピース ※SS=ステンレススティール

 スタイリッシュでセクシー。

 今まで私がトム フォードに抱いていたイメージからすると、この時計は、ちょっと意外な驚きがありました。

 トム フォードの時計が新たに発売になると聞いて私が想像したのは、都会の夜に似合いそうなゴールドやダイヤモンドが輝くデザイン。

 しかし、私の予想をいい意味で裏切ってくれたのが、この時計。

 大きなフェイスのユニセックスで、ウォッチカフをつけても外しても使える2ウェイ。

 パッと見の派手さはありませんが、この時計には、“シンプルな強さ”があると思うのです。

 ジュエラーやウォッチメゾンの時計と違い、トム フォードの時計は、彼の提案するモードの世界の延長線上にあると思います。

 幅広のウォッチカフは、ファッションアイテムとしても映えるデザインです。

 もしもこの時計にダイヤモンドがちりばめられていたら、彼の服に合わせると、おそらくトゥーマッチ。

 例えば、今回のような、スペシャルな純白のジャンプスーツに、ユニセックスな時計をさらりとつけているのが、モダンであり、今の気分なのだと思います。

ジャンプスーツ 560,000円/トム フォード(トム フォード ジャパン)

 洋服だけでは表現しきれない、旬のムードや個性を、ふっと時計で香らせる……この時計を見た時の“意外な驚き”は、素敵な時計の効かせ方を改めて考えるきっかけになりました。

本格派の機構が楽しめるシースルーバック仕様。幅広のウォッチカフを取り外すと、クラシックな表情が際立つ。針の先にサークルがついており、数字が覗くデザインに遊び心が。「普段着に合わせるなら、ぴったりとしたニットか、上質な素材のオーバーシャツ。どこの街というより、“トム フォードの世界”に住んでいる、洗練された女性がイメージです」

伊藤美佐季(いとう みさき)

ジュエリーディレクター、スタイリスト。フィレンツェに遊学、帰国後スタイリストに。つける人の個性を活かしたスタイリングは、女性誌のほか多くの女優からも支持が高い。ジュエリーに関する講演などでも活躍。近著に『そろそろ、ジュエリーが欲しいと思ったら』(ダイヤモンド社)。

Column

伊藤美佐季のSource of yourself

ジュエリーディレクターの伊藤美佐季さんが指南する、大人のためのジュエリーの選び方と、つけ方のエッセンスを連載でお届けします。

2020.06.25(木)
Text=Miwako Yuzawa
Styling=Misaki Ito
Photographs=Masami Naruo(SEPT)
Make-up=Tomohiro Muramatsu(sekikawa office)
Hair=SHOTARO(SENSE OF HUMOUR)

CREA 2020年6・7月合併号
※この記事のデータは雑誌発売時のものであり、現在では異なる場合があります。

この記事の掲載号

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