#04 生まれ変わったら木になって……

『木になった亜沙』
今村夏子

 『むらさきのスカートの女』で芥川賞を受賞した気鋭の作家による、奇妙で不穏で純粋な3つの愛の物語。

 「現実と幻想の渾然一体感、あるいは突き抜け感が、最高にどうかしています」

 生まれ変わったら甘い実をつけた木になりたい。誰かに食べさせたい。願いがかなって杉の木に転生した亜沙は、わりばしになって若者と出会う――。表題作「木になった亜沙」をはじめ、予測不可能なストーリーにページをめくる手が止まらなくなるはず。

#05 日本文学の名作を漫画で静謐に描く

『光と窓』
カシワイ

 デビュー作『107号室通信』がロングセラーとなり、イラストレーターとしても活躍の場を広げ続ける著者、待望の第二作品集。自身が深く影響を受けた日本文学の名作7篇を、柔らかく静謐に描き出す。新しい窓が切り取った、遥かなる光。

 「漫画で描かれた詩。今あまり読まれなくなった作家を、目覚めさせている感じも素晴らしいです」

 今回、本を選んでいただいたのは……

吉田大助さん
(よしだ だいすけ)

1977年、埼玉県生まれ。「CREA」をはじめ、「野性時代」「ダ・ヴィンチ」「小説新潮」「週刊SPA!」など、雑誌メディアを中心に書評や作家インタビューを行う。構成を務めた書籍に、指原莉乃『逆転力』などがある。