アートがいっぱいのロビーフロア
館内にアートがふんだんに取り入れられているメズム東京。
エレベーターホールからロビーへと通じる空間は、雅な和の文化を感じさせる大作で彩られています。東京の鼓動と日本のおもてなしの心を、伝統的な「水引」で表現したもので、お客さまをお迎えするトンネルのように飾られているのが素敵。
海外からの旅行者が急増するとともにあちこちで見かけるようになった、いかにもわかりやすい「日本らしさ」ではなく、国内外で活躍するクリエイターたちによる独自の視点で解釈した「ニッポン」や「トーキョー」を表現した作品群が新鮮な印象を与えてくれます。
そして、ロビーラウンジに出ると、180度の爽快な東京の風景が窓の外に広がっています。
船が行き交う水辺の風景が水都・東京ならでは。その向こうには都心の高層ビル群と東京スカイツリーが。
眼下には浜離宮恩賜庭園の優雅な緑を望みます。眺望自慢のホテルは都内にたくさんありますが、メズム東京では、これまでとはひと味違う気持ちのいいビューを楽しむことができるのです。
ロビーラウンジやフロントにも、遊び心あふれるアートがふんだんです。
生沼GM以下、開業チームが「これ、面白い!」と思ったオブジェが、メズム東京独自の非日常感を演出します。
ユニークなのが、フロントカウンターの両サイドにそびえる「ミウラ折り」のアート。
ミウラ折りとは、東京大学宇宙航空研究所の三浦公亮名誉教授が考案した折り方で、実際に宇宙構造物にも取り入れられているもの。日本の折り紙文化と先端科学が融合して生まれた作品です。
繊細かつ力強い造形の美しさに心奪われ、ダイナミックなイメージが、東京という街の躍動感を象徴しているかのようです。
音楽へのこだわりもたっぷり
さらにロビーエリアには、グルーヴィーなサウンドが心地よく響きます。
実は生沼GM、5歳のころからずっとヴァイオリンとピアノを習っていたそう。だから音楽には一家言あり。
「五感で魅了するホテルですから、オリジナルのフレグランスで嗅覚を。アートと景色で視覚を。そしてこだわりのサウンドで聴覚を魅了します」
これまでのホテルでは、館内に流れる音楽はあくまでBGMでした。「あのホテルの音楽がとても印象的だった」という経験をしたことのある人は、きっと少ないはず。
そこで、メズム東京では、バックグラウンドではなく “FGM(フォアグラウンドミュージック)” として、独自にキュレーションした楽曲を用意。さらに、YAMAHA製のプロ仕様スピーカーやパワーアンプを完備し、立体感のある高音質なサウンドに包まれながら、音楽をしっかり楽しむことができるのです。
2020.04.27(月)
構成・文=矢野詔次郎
撮影=鈴木七絵