2020年4月27日(月)、東京・竹芝のウォーターフロントに開業した最新ホテル「メズム東京、オートグラフ コレクション」。
躍動する東京の鼓動・波動を五感を通じて感じる “TokyoWaves” をコンセプトにした、まったく新しい東京生まれのホテルブランドです。そのおもてなしには、これまでになかった個性的な試みが満載。
そこで、その館内をいち早くレポートします。

メズム東京がこれまでのホテルと違うところ。それはエントランスでお迎えしてくれるクルーのユニフォームでもわかります。
ヨウジヤマモトの旗艦ブランド「Y's」の注目ラインである「Y's BANG ON!」とコラボしたオリジナルデザインで、メンズパターンをジェンダーレスに表現したユニフォームは、全身をシックなブラックカラーで統一。モード感あるスタイルとなっています。
着用するクルーには、動きやすく、働きやすいように。そして、お客さまには「Y's BANG ON!」の丁寧な服づくりとリンクした、クルーによる細やかなサービスを感じていただけるように。
堅苦しくなく、リラックスしてホテルの楽しさを感じとってほしい。そんな想いが伝わってきます。
総支配人もとても個性的!
館内に入ると、心地よいフレグランスが優雅に香ります。この香りをクリエイトしたのが、石坂将さん。
倖田來未さんやPerfumeをはじめとした著名人のほか、さまざまな企業ブランドの香りを手がけてきた人気フレグランスプロデューサーで、今回はじめてホテルの香りを担当しました。

そして、春・夏のフレグランス「トーキョーシトロン」の香りに包まれながら、エントランスで出迎えてくださったのが生沼久総支配人(GM/ジェネラルマネージャー)。
ポンパドールヘアがトレードマークの名物ホテルマンとして、実はこの業界のカリスマ的存在。
数々の有名ホテルの開業から運営まで、まさに第一線で活躍してきたプロフェッショナルです。
「この仕事に25年間たずさわってきましたが、今回は本当に個性豊かでクールなホテルができあがりました」と生沼GM。
「自由に想いを込めたホテルづくりをさせてもらいましたので、さまざまなところにメズム東京らしさを感じていただけると思います。たとえばこのラゲージを運ぶカート……」と、片隅に置いてあるカートを前に熱く語りだします。
「これまでのラグジュアリーホテルでは、外国製の既製品を使用することが一般的でしたが、メズム東京では、メイド・イン・ジャパンにこだわって特注しました。
いいでしょ、このカッパーの色合いやレザー製の持ち手の質感。日本ならではの繊細な仕事が詰まっています。
これからご紹介しますが、館内にはオリジナルデザインをたくさんご用意しました。これらはメズム東京のクリエイティブディレクターが手がけたもので、自社デザイナーがいるホテルは、かなり珍しいと思います」

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車輪が見えないよう、カバーで覆うデザインにしたところにも生沼GMのこだわりが。
「このカートが、まさにお客さまのラゲージのための “ステージ” になることをイメージしました」
荷台にはホテルのロゴが入ったカーペットが敷かれていて、たしかに自分のラゲージがこのカートに載せられて登場したら、ちょっとうれしいかも。
「では、エレベーターに乗って16階のロビーフロアへご案内しましょう」
2020.04.27(月)
構成・文=矢野詔次郎
撮影=鈴木七絵