新登場の「スターサービス」

 メズム東京では、スタッフのサービスにも新しいコンセプトを導入しています。

 フロントカウンターには「STAR SERVICE(スターサービス)」のオーナメントが鎮座していて、「EST.2020」の文字からは、メズム東京発の新しいおもてなしが2020年からスタートします! という意気込みが伝わってきます。

「記憶に残るホテルとは何か。それは行きつくところ “人” にあるのではないかと考えました。

 25年間のホテルマン人生のなかで、いろいろなホテルを見てきましたが、結局いちばん印象に残るのは、スタッフとのコミュニケーションだと思ったのです」

 これまでは、宿泊やレストラン、バーなど、それぞれセクションごとにわかれていたホテルのサービス。そこでメズム東京では、それらのサービスを横断的に提供するチーム「スターサービス」を設立しました。

 スターサービスクルーひとりひとりが、チェックイン・チェックアウトからレストランやバーで過ごすひとときに至るまで、ゲストに寄り添うようにおもてなしを展開していくのです。

「お客さまとクルーがいい距離感をつくり、互いに共感しあってこそ、本当に記憶に残るホテル滞在を提供できるのだと思います」

 続いて次のページでは、記憶に残るホテル体験のメインステージ、ゲストルームへとご案内しましょう。

遊び心が詰まった滞在空間

 この日、見学させていただいたのは、館内に1室しかない「チャプター4 スイート リュクス」。広さ180平方メートルのとびきりゴージャスな空間です。

 リビングに入ると気になるのが、CASIOの電子ピアノ「Privia」。もちろん自由に弾いてOKです。

「こちらの電子ピアノ、265室の全客室にご用意しております。ご自宅にいるときでも、電車のなかでも、音楽を聴くことはとても日常的なことですよね。でも自分で楽器を弾くことは、滅多にない非日常だと思うのです」

 ゲストルームという自分だけの空間だからこそ、誰にも気兼ねすることなく、思う存分に演奏にチャレンジできるのが楽しいところ。

「大人になってから楽器にチャレンジしてみるのもいいじゃないですか(笑)。それに、こうしたリアルな体験こそが、記憶に残るのだと思います」

 お部屋でくつろいで過ごしながら、新しい発見やインスピレーションを得られる滞在。そんなメズム東京ならではの体験を提供したいという想いも、この電子ピアノには込められているのです。

 調度品をはじめ、ゲストルームのディテールにも楽しいこだわりがたっぷり。

 個性を主張しながら、全体としてラグジュアリーな空間演出となっているところがさすがです。

 「チャプター4 スイート リュクス」でもうひとつ大注目なのが、広さ60平方メートルのゆったりとしたバルコニー。

 とにかく眺望が素晴らしいのです。

 猿田彦珈琲のメズム東京オリジナルブレンドを飲みながら、バルコニーのチェアでリラックス。

 広々とした空間で180度の眺めを独り占めする贅沢は、このスイートだけのもの。

 東京にこんな眺めがあったのか……と感激しながら過ごす時間は、とてもラグジュアリーです。

 ちなみにゲストルームのカテゴリーは、「ホテルでの滞在が人生の大切な一章になるように」との想いを込めて「chapter(チャプター)」と名付けられています。

 広さ40平方メートルの「チャプター1」から、今回ご紹介した「チャプター4 スイート リュクス」まで、ゲストそれぞれの旅スタイルや目的に合わせて多彩なルームタイプを用意。ガーデンビューのお部屋を選べば、気分爽快な景色を満喫しながら、優雅なステイを楽しめます。

2020.04.27(月)
構成・文=矢野詔次郎
撮影=鈴木七絵