2020年、もっとも注目されている新品種フルーツは、青森県で生まれた新品種のさくらんぼ。まろやかで甘く、まるで桃のような甘い香り。
なにより、かわいいハートの形! この夏、いよいよ全国デビューするその魅力をひと足早くご紹介します。
24年の歳月をかけて開発した さくらんぼの最高峰
青森県というと、まずは“りんご”を思い出す人が多いはずです。
実は、りんごを冷たい風から守るための防風林として育てられてきたのが、さくらんぼでした。品種改良を重ねながら、青森県を代表するようなさくらんぼを作ろう! という構想が1996年からスタート。
’98年に「紅秀峰」と「サミット」を交配した木に実ったのが、ひと際大きく、見た目はハート形。そして、桃のように甘い香りの果実。これが、「ジュノハート」の第一歩です。
形、味、食感……まるでまったく新しい果実が誕生!
「ジュノハート」と命名され、品種登録にこぎつけたのは2012年3月のこと。新品種の構想が立ち上がって、すでに20年の年月が経っていました。
“ジュノ”とは、家庭の幸福をつかさどるローマ神話の女神JUNOのことで、そこに形状の“ハート”をくっつけたのが品種名の由来。2粒が寄り添うように実るさくらんぼにぴったりの女神です。
また、原木の近くで大規模な山火事が発生した際、一歩手前で鎮火したことからも、“幸運の果実”と呼ばれるようになりました。
2020.03.28(土)
文=北條芽以
撮影=榎本麻美