スパイスを生のまま。だからこそ
香りと味わいがぶわりと広がる!

 今年の夏は本当に長かった……。おかげで秋が短い! 

 気がつけばすぐ、涼しさは寒さにかわり、冬のパーティーシーズン到来ではありませんか。

 さあ、ボンヤリしてはいられない。

 これからの肌寒い季節、体の芯からあっためてくれるのが鍋。しかも鍋は「みんなでワイワイ楽しめる」「こんな組み合わせがあるのかという発見がある」。

 しかもしかも毎年、その手があったか的なバラエティーに富んだ面白い鍋ブームが来る! その最先端を押さえておくか否かで、年末年始が健康かつ楽しくなるかどうかが変わる。

 それほどに鍋トレンドチェックは大事なのです(力説)。

 そこで調べたところ、“すべての人に、食で笑顔を”を合言葉に、食マーケットを徹底的に科学するプロ集団「ホットペッパーグルメ外食総研」が予測した鍋トレンドに、なんとも魅惑的なワードが。

 なになに、今年は「生スパイス鍋」が来る……!?

 スパイスといえば、食べ物のおいしさを引き出す名脇役のイメージ。

 しかし今年は、乾燥させ香辛料として裏方的に使用するのではなく、スパイスを生で、しかもメイン級食材として食べるというのです。

 ああ、なんかもう想像するだけで、鼻に爽やかな香りが!

 生唐辛子、生こしょう、実山椒、生ショウガ、生ガーリックetc。

 そんな食欲をそそるスパイスの香りが、鍋の湯気とともに広がる……(うっとり)。

 おいしくないわけありません!!

 黒こしょうを丸のまま食べたとき、ぷつっと口の中で広がる香ばしさで、一気に食材のおいしさを高めてくれるあの感じ。

 わさびの爽快感もたまらない。唐辛子入りのお料理は、食欲がない時スッキリするんですよね。寒い時にカレーを食べたらホッカホカに温まるのも、スパイスのおかげだと聞いたことがあるし……。

 そう考えると、それを「生」で食せる生スパイス鍋、絶対ヘルシーでおいしくて女子が大好きなパターンじゃないですか。

 みんなで食べたら「なにこれ初めての感覚!」とか絶対盛り上がるパターンじゃないですか!

 俄然興味が湧いたのはいいけれど、単純な疑問が。

 今なぜ生スパイス?

 調べて見ると……おお、なるほど。あのブームが関係していたのです。

2019.09.30(月)
文=田中 稲