北の大地のヒーローが登場!
細川たかしである。
細川たかしというと、レイザーラモンRGによる物真似を想起する向きも多かろうが、髪型だけに気を取られていてはいけない。それは、木を見て森を見ないということである(おそらく、このことわざの用法はかなり高い確率で間違っている)。
すげえ。こんな柄の着物は見たことがない。自慢する気持ちも分かるよ。
竜の次は虎。龍虎。料理天国。そんなこと言っても平成生まれには伝わるまい。
かつて「浅草橋ヤング洋品店」に龍虎が登場する折、水道橋博士が「ドラゴンタイガー!」と絶叫していたのを昨日のことのように今はっきりと思い出す。何でもないようなことが幸せだったと思う。THE 虎舞竜。
なお、タイガー&ドラゴンということでクレイジーケンバンドを思い出したファンのみなさんは、横山剣の「俺の好きな女」という連載をご覧ください。そして別にもう、この記事には金輪際戻ってこなくていい。
俺と剣のどっちを取るの? セクシーなのキュートなのどっちが好きなの?
さらにはこんな竜も登場するわけだが、まだまだ油断しちゃいけないよ!
竜の柄だけでいくつ着物を持っているのだろうか。
般若! ズクダンズンブングン、ズクダンズンブングン。たかしはうっすらと微笑みを浮かべているけれど、これは明らかに威嚇である。よく分からないけど何か悪いことしたんなら謝ります! ふざけた原稿書いてごめんなさい! 私バカよね、おバカさんよね。
……とか言いつつ反省するつもりはゼロなので続ける。気がついたら焼酎のボトルが一本空いている。
しかし、ここまで同じポーズのジャケットが並ぶと壮観である。もはやコンセプチュアルアートだ。ワタリウムか原美術館あたりで展覧会やってくれないか。
実をいうと、ここまで細川たかしのジャケットをさらってきて、俺はずっと不思議な既視感を覚えてきた。何だろう、このジャケット、俺はよく知っているぞ。
……分かった!
2019.02.17(日)
文=ヤング
撮影=平松市聖