vol.43_NEAL'S YARD REMEDIES
日本人のオーガニック意識を
切り開いてきたパイオニア
ここ数年、オーガニック系ブランドが続々と上陸。ナチュラルやオーガニックへのニーズがますます高まっているが、その草分け的存在と言えるのがニールズヤード レメディーズだ。その歴史は1981年、イギリスのコヴェントガーデンにニールズヤード アポセカリーとして1号店をオープンしたことに始まる。
「大量生産大量消費が全盛の時代、教育者(学校の先生)だったロミー・フレイザーは環境や人に配慮した体に良いものを広めたいとの想いからハーブやエッセンシャルオイル、フラワーエッセンスからスキンケアまで、ナチュラルレメディが1カ所で揃うショップを開業します。当時はオーガニック原料などはほとんどなく、彼女自身がさまざまな土地に行き、ハーブの買い付けから行っていました。野生種やオーガニックへのこだわりはここから始まっています」とは、ニールズヤード レメディーズ マーケティング部 プレスマネージャーの鷹見恵美さん。
イギリスでは生活の中に自然療法が根づいている。風邪をひいたときも病院に行かず薬局で、国家資格であるハーバリストのアドバイスを受けてハーブティーを飲み、植物の香りで元気を取り戻す人が多いらしい。
どんな原料が選ばれ、どこでどう作られるのか。品質や安全性を重視するのはこうした背景もあるようでニールズヤードは真摯な物作りでその信頼を築いてきた。日本では85年に(アジアで最初に)販売をスタート。30年以上も経つとはちょっと驚きだけど、じわじわと着実にオーガニックファンを増やしてきたのである。
「製品を売るだけでなく、意識を高めることもニールズヤードの使命。アロマセラピーのスクールを立ち上げたり、店内でワークショップを開催するなどオーガニックを身近に感じ、知識を深めるための活動を行っています。イギリスの本社は日本に注目しているんですよ」(鷹見さん)
2018.01.25(木)
文=吉田昌佐美
撮影=吉田健一