一見何の変哲もないコンシーラーや
アイブロウが主役に?
毎年ベスコスの時期は、当然のごとく新製品ばかりが目につき、コスメ界はまさに新製品至上主義であることを思い知らされる。だから当然、派手。でも、2017年はちょっと事情が違う。ベスコスにも、地味なものが目立つのだ。地味だからこそそこまで上り詰めるのはすごい。言うならば“地味にすごいもの”が、ここ最近いやに目立つのである。
例えば、ナーズのソフトマットコンシーラー。並居る新製品を押しのけて、圧倒的な評価を得たのが、この地味なアイテムだったのだ。正直何の変哲もないのになぜそれほどの評価を得たのか? ズバリ言って、もともとアイシャドウですらカバー力の高さに定評のあるナーズだけに、カバー力の質が他とは違ったということ。言い換えれば今まで隠れなかったものが自然に隠れる、たったそれだけの違い。
でもそれってすごいことだった。本来がカバー力の高いベースはその分、当然のように膜が厚く油分が多い。だから隠れても目立ってしまう上に、持ちも悪い。それを全てクリアした。意外なほどふわっとした感触だから塗りやすく薄づき、でも粒子が連結するような特殊なベースだから持ちもいい。既存のラディアントクリーミーコンシーラーも評判が良かったが、どちらも地味にすごいのだ。
2018.01.22(月)
文=齋藤 薫
撮影=釜谷洋史