どこかで聞いたことはあるけれど、正しい意味はわからない。そんなライトな用語からディープなオタク語までをたっぷり解説します。初心者のあなたも、アニメのすべてがわかる! ……かも。
» 第1回 A to H
» 第2回 I to O
【P】
●プロデューサー
資金繰りから広報戦略まで、ヒットのカギを握る人
――Producer
企画やお金の管理、制作会社の手配、キャラクターグッズの監修など、作品を売り出すための商業活動全般の責任者。制作の遅れを各所に謝ることも重要な仕事。人を動かすことと、人に頭を下げることの両方に長けていないと務まらない。
【Q】
●クエンティン・タランティーノ
あの名監督もアニオタだった
――Quentin Tarantino
アメリカの奇才映画監督。『キル・ビルVol.1』で栗山千明が演じたGOGO夕張は、Production I.Gが制作した日本のアニメ映画『BLOOD THE LAST VAMPIRE』が元ネタ。ちなみに、『キル・ビルVol.1』のアニメパートはProduction I.Gが手がけている。
●QTB(キューティービー)
漫画表現に通じるアニメ特有のカメラワーク
――Quick Track Back
Quick track backの略で、カメラを被写体から素早く遠ざけること。漫画の集中線のような誇張効果があり、アニメ独特のカメラワーク。日常系やコメディの作品に多く見られる。
●くぁwせdrftgyふじこlp
思わず手元も狂う展開のときは……
――Qwerty
PCのキーボードの2段目と3段目を同時に左から右に押していくとこうなる。言葉では言い表せないくらいの感動や驚きで動揺した様子を表すネットスラング。アニメの感想にもよく使われる。
[用例]
あの展開は、さすがにふじこる。
【R】
●リメイク
あの名作がまた観られるなんて!
――Remake
過去のアニメ作品を新たにつくり直すこと。新しいストーリー展開やキャラクターが追加されることもある。『サイボーグ009』や『はいからさんが通る』など、最近リメイクアニメが多い。
[作品例]
『009 RE:CYBORG』
『劇場版 はいからさんが通る』
『LUPIN the Third ―峰不二子という女』
【S】
●作画崩壊
逆にそれが味わい深くなったりすることも……?
――Sakuga Hokai
制作時間の切迫やアニメーターの画力不足が災いし、キャラが「あなた誰?」状態になったりと、作画のクオリティが激しく低下すること。過去に起こったあんな事例やこんな事例にちなんで、「キャ○ツ」や「ヤシ○ニ」と呼ばれることも。
●セカイ系
『エヴァ』以降に登場した作品ジャンル
――Sekai Kei
「僕と君とその周辺で完結する、セカイを救うお話」のこと。1995年に放送されたTVアニメ『新世紀エヴァンゲリオン』の影響を受けた作品を指す言葉でもあり、「主人公が世界の存続とヒロインの命の二択を迫られる」「心情描写が多い」などの特徴がある。
[作品例]
『交響詩篇エウレカセブン』
『魔法少女 まどか☆マギカ』
●シャフ度(シャフド)
挑発的なあの角度がたまらない
――Shaft Head Tilt
シャフト(制作会社)作品でよく見られる、横や斜め後ろを向き、アゴを上げて挑発的に見下ろす演出や、そのときの顔の角度を指す。2009年放送の『化物語』で注目された。
●ショタ
ロリコンの対義語? 由来は『鉄人28号』
――Shota
幼い男の子のキャラクターを好む「ショタコン」の略。その対象となるキャラクターを指すこともある。『鉄人28号』の主人公、金田正太郎が由来であり、1981年にアニメ雑誌で生まれた言葉。
●主人公補正
しょうがないよ、だって主人公だもん
――Shujinko Hosei
主人公だからという理由で、特別な幸運や能力が授けられている状態のこと。たとえば、「ピンチになっても主人公だけはなぜか死なない」「いいところが何もないのになぜかモテる」など。
【T】
●当番回
好きなキャラの回は絶対見逃せない
――Toban Kai
特定のキャラクターが話の中心的存在になる回。当番というだけあって、通常はすべてのレギュラーキャラに順番に回ってくる。主にハーレムアニメにおいて多く見られる構成。
●テレビ東京
何があっても崩れない、アニメ界の最後の砦
――TV TOKYO
アニメファンの最強の味方。大きなニュースで他局が足並み揃えていても、完全スルーして通常放送をすることでも有名。キー局以外での注目はTOKYO MX。10年ほど前から急に大量のアニメを放送しはじめ、その放送数はトップレベルといわれている。
●ツインテ
金髪ツインテは、ツンデレキャラの王道
――Twintail
ツインテールの略。少女性を際立たせる髪型で、ロリキャラに多い。あるいは、そのイメージを逆手にとって、ツンデレ系のキャラに使われることもある。特に金髪ツインテはツンデレキャラの王道。
[キャラ例]
・『美少女戦士セーラームーン』の月野うさぎ
・『けいおん!』の中野梓
・『とある科学の超電磁砲』の白井黒子
2017.02.23(木)
text=Rina Hirabayashi
illustrations=Keita Mizutani